ミニ・レビュー
『オリコン』1位を記録した『我流旋風』に続くサード・アルバム。レゲエがベースとなっているサウンドではあるが、非常に普遍性のあるポップ・センスがますます前面に出てきている。ベイビー・ヴォイスと野太い声の対比もおもしろい。
ガイドコメント
ダンスホール・レゲエ・デュオ、MEGARYUの3rdアルバム。ジェリー・ハリス率いるジャマイカNO.1バンドとのセッション録音で生み出されたシングル曲「ROOTS」などが収録されている。
収録曲
01最強プレイス〜今こそ築け〜
3rdアルバム『ジェット気流』のオープニング・トラック。ホーンが明るい空気を演出する中、フロアを舞台にした熱狂的なライヴの模様が綴られていく。“見ているだけじゃなく一緒に参加して楽しもう”というメッセージが、楽しい気持ちにさせてくれる。
02春夏秋冬LOVE
さまざまな出会いを繰り返してやっと出会えた本当に大切な人への気持ちを綴るラヴ・ソング。爽やかでスウィートなRYU REXと野太い声でユニークなラップを披露するMEGA HORNの見事な掛け合いが楽しめる。
03WAY
明るいムードを作り上げるレゲエ・トラックに乗せて歌われるのは、“迷いながらも少しずつ前へ進むことの大切さ”。MEGA HORNの確信的で優しげなラップが、そっと心を温めてくれる。何かにつまずいて迷っているときに聴きたい一曲だ。
04電光石火のごとく
フロアを舞台に、音楽に対する熱い想いが綴られたトラック。MEGA HORNのラップもRYU REXのヴォーカルも、重低音を強調した打ち込みビートに乗せて攻撃的なパフォーマンスを見せている。緊張感を強調させるシンセサイザーの音色にも注目。
05STAR
レゲエ・サウンドを土台に、オルゴールのようなキラキラしたシンセサイザーの響きが舞い踊るハッピーなトラック。RYU REXの甘く切実なヴォーカルが秀逸で、“あなた”への真摯な愛の想いを感動的に描き出している。
06STAND UP
重厚なビートとシンセサイザーに乗せて歌われるのは、悪が躍動する現代社会への怒りの数々。スウィートな歌声が特徴のRYU REXもここでは鋭い響きを聴かせていて、強い説得力を生み出している。彼らの社会派な一面が味わえるナンバーだ。
07ROOTS
ジャマイカNO.1バンドとのセッションから生まれた、ニューヨーク・レコーディングによる極上のレゲエ・ナンバー。故郷の自然や美しい風景を描きながら、誰にでもある自分のルーツを思い出そうと歌いかけている。
08奪い去りたい
“彼女の中に潜む過去の男から完全に彼女を奪い去りたい”と歌われる攻撃的なナンバー。重々しいビートや時折挿し込まれるラテン調のギターが、切迫した男の気持ちを見事に表現している。メンバー二人のヴォーカルも鬼気迫る仕上がりだ。
09アツアツで居て欲しい
恋人とフライドポテトを掛けたユニークなナンバーで、両者に対する熱い想いが歌われている。陽気なサウンドを前面に押し出したポジティヴさも魅力的で、ファーストフード店での会話をSEとして導入するなどの楽しいプロダクションにも注目だ。
10タフなハート
自分の弱さを知ることが本当のスタート・ラインだと、二人の掛け合いで明るく呼びかけるラップ・ナンバー。軽快でホットなレゲエ・サウンドは、ジャマイカNO.1バンドとニューヨークでセッションしたもの。
11友よ
ラテン系のアコースティック・ギターがリードするゆったりとしたバラード。いつになく落ち着いたラップを披露するMEGA HORNのパフォーマンスがよく映えていて、親友へ対する感謝を綴ったリリックが感動を誘う。
12もっと自由に
“もっと自由にはばたいて、もっと自由に夢抱いて”と歌われる、夢を追ってがんばる人への応援歌。晴れやかに響くホーンや明るく弾けるドラミングもエールを送るかのごとく、メンバー二人のヴォーカルを支えている。
13MUSICAL POWER
音楽がもたらすハッピーな気分をテーマにした、ポジティヴな一曲。近未来的なシンセサイザーの音色に包まれて、RYU REXの誠実で爽やかなヴォーカルが冴えわたっている。彼らの音楽に対する真摯な姿勢がうかがえるナンバーだ。
14いつも二人で
MEGA HORN、RYU REXがともに、あふれるほどの愛を優しく語りかけるように歌い上げた上質なラヴ・ソング。3rdアルバム『ジェット気流』を締めくくるにふさわしい、ピースフルでハッピーな仕上がりだ。