ミニ・レビュー
石垣島出身の女性デュオのデビュー・アルバム。プロデュースはケツメイシのRYOJIが担当。すでに7枚のシングルを発表し、米国ツアーも成功させているだけに、ナチュラルで芯の強い歌声や美しいハーモニーは完成度が高く、たっぷりと彼女たちの世界に浸れる。
ガイドコメント
石垣島出身の女性デュオ、やなわらばーの1stアルバム。沖縄を中心に古くから使用されている伝統楽器、三線とアコースティック・ギターとで奏でられる独特のサウンドは、懐かしくも新鮮な響きを持っている。ケツメイシのRYOJIがプロデュースを担当。
収録曲
01てぃんさぐぬ花
故郷である沖縄を代表する教訓唄を、見事なコーラス・ワークによりア・カペラ・ナンバーに仕上げている。しゃくり上げるような独特のメロディ・ラインや幻想的なヴォーカルが魅力の、小品ながらインパクトの強い作品だ。
02唄の島
2人の故郷である石垣島の風景が目に浮かぶような、ほのぼのとしたポップ・ソング。ギターやキーボードといったバンド・サウンドと、印象的な三線や独特の掛け声による琉球テイストとのバランスが絶妙だ。
03いちごいちえ
テレビ朝日系ドラマ『菊次郎とさき』エンディング・テーマとしてヒットした、和み系ポップ・チューン。キャッチーで聴きやすいメロディ・ラインとどこまどもポジティヴで巧みな言葉遊びのセンスが光る歌詞との、調和が気持ちいい快曲。
04愛してる
純粋な乙女心を切々と綴った歌詞と2人の卓越したコーラス・ワークが胸を揺さぶるラヴ・ソング。息を飲むほどの美しさと突き抜けるような力強さをあわせ持つフレッシュなヴォーカルが、叶わぬ恋と向き合う少女の心情を見事に表現している。
05心音
シンプルなアレンジとキュートなヴォーカルが心地よいA&Bメロと、パワフルかつ幻想的なサウンドに映える、美しいコーラス・ワークが感動的なサビとのギャップが鮮やか。真実の愛に気付いた少女の“心音”を綴った歌詞も素晴らしい。
06聞いてほしいこと
母への愛と感謝を歌った感動的なナンバー。親元から離れて初めてその大切さに気付くという内容は、共感できる人も多いはず。単純だがどんな言葉よりも温かく、それでいてなかなか言えない“ありがとう”が、三線の優しい音色とともに胸にジンとくる。
07「拝啓○○さん」
テレビ朝日系ドラマ『エラいところに嫁いでしまった!』主題歌となった5thシングル。RYOJIプロデュースによる、沖縄テイストのゆったりとしたレゲエ・チューンで、前作「唄の島」を支持してくれた人への感謝の思いを歌にしたとか。
08君にサヨナラ
恋人との別れと自立を描いた切ない歌詞が印象的なバラード。温かみのある三線の音色を中心としたシンプルなアレンジが、圧倒的なヴォーカルを引き立てている。特に、Bメロでみせる独特の歌唱法はクセになること間違いナシ。
09卒業アルバム
爽やかさの中にほろ苦い切なさが入り混じった、ネオ・フォーク風ポップ・チューン。カントリー・ソングにスピード感と軽快さをプラスしたようなギター・サウンドと、2人のピュアで伸びやかなヴォーカルが最高に心地良い。遊び心をふんだんに盛り込んだアレンジも楽しい。
10空をこえて 海をこえて
テレビ朝日系『ポカポカ地球家族』テーマ・ソングにもなった、切なげなミディアム・ポップス。2人の透きとおるように美しいコーラス・ワークと等身大で前向きな歌詞が、深い感動と共感を誘う。バックに流れる三線とストリングスの相性もバッチリ。
11大好きな人
三線とギターの弾き語りによるシンプルなサウンドが心地よいラヴ・バラード。沖縄音楽特有のメロディに乗せた繊細かつ力強いヴォーカルが、見事な融合を見せている。「大好きな人」への切ない想いを綴った歌詞が涙を誘う。
12夢を見た
石垣島出身の女性デュオの6枚目のシングル曲は、テレビ朝日系『恋愛百景』エンディング・テーマ。 目の前にあって見逃しがちなもの、大切な人の存在や優しさを今一度、思い出させてくれる。高音の美声が映えるメロディも心を打つ。
13今日という日を歌にして
“等身大の自分でいたい”“等身大の歌を歌いたい”という2人のメッセージが込められた作品。三線とギターの弾き語りによるシンプルな構成のなか、彼女たちの決意をストレートに綴った歌詞が輝きを放つ。なお、歌詞中で登場するBEGINは母校の先輩。