ミニ・レビュー
アルバムと曲のタイトルだけでエモーショナルな無言歌が聴こえてきそうなセカンド・アルバム。テンションの高い場所で、各パートが互いにやり合いながら濁りのない緊密なインストゥルメンタル・サウンドを造形していくさまは、つねにスリリングな発熱感をまとっている。★
ガイドコメント
世界的な活躍を見せる日本のインスト・エモーショナル・ロック・バンド、teの2007年9月発表のアルバム。代名詞ともいえる轟音サウンドのみならず、千差万別の楽曲がちりばめられており、これまでの活動の集大成的な作品となっている。
収録曲
01如何に強大な精神や力といえども知性なくしては「無」に等しい。
02美しき旋律も、音を語る言を持たずしては心にも「留」めがたし。
03愛も信仰も同じ様に日々のささやかな勤行でのみ「維持」される。
04明日を最も必要としないものが、最も快く明日に立ち「向」かう。
05大胆は無知と卑劣の子であって、他の資格よりはるかに「劣」る。
06言葉を用いて奏でる者は才能に在らず、ただの記憶に「過」ぎぬ。
07節度と正義は、ただ優者のみが勝手に利用しうる「名目」である。
08心は正しい目標を欠いてしまうと偽りの方向にはけ口を「作」る。
09何らの苦しみにもあわずして、何人をも幸福とは「呼」ぶなかれ。
10人間とは理性によって自己自身を破壊する能力を「有」している。