ミニ・レビュー
大ベストセラーとなった究極のベスト盤の5年ぶりとなる第2弾で、映画・テレビの主題歌やCMソングとしてもおなじみの作品を数多く収録。70年代から活躍する長距離ランナーゆえに、清麗な作品は各世代にとっての青春ベスト、時代ベストとも言える。
ガイドコメント
大ヒットしたベスト・アルバム『自己ベスト』の第2弾。シングル1位の最年長記録を作った「こころ」やNHK朝の連続テレビ小説『どんど晴れ』主題歌「ダイジョウブ」など、誰もが一度は耳にしているだろう黄金のメロディが満載されている。
収録曲
01こころ
25thシングルはフジテレビ系“月9”ドラマ『ファースト・キス』の主題歌。初恋から生まれる幸福感や初めて味わう浮揚感が、小田和正らしい清涼感いっぱいのハイトーン・ヴォイスで歌われていく。ストリングスやハープも心に響く。
02ひとりで生きてゆければ
シングル「遠い海辺」(1997年)のカップリング曲で、オフコースの4thアルバム『SONG IS LOVE』(1976年)収録のナンバーをセルフ・カヴァー。透明なハイトーン・ヴォーカルで描き出される独特の厭世観は、時代を超越してなお美しい。
03生まれ来る子供たちのために
シングル「たしかなこと」(2005年)のカップリング曲で、オフコースが1980年にシングル・リリースした名曲をセルフ・カヴァー。繊細なピアノを主体にしたアレンジが、普遍のメッセージをより鮮明に浮かび上がらせている。UNHCR応援ソング。
04愛の中へ
ソロ・アルバム『LOOKING BACK 2』(2001年)収録曲で、オフコースが1981年にリリースしたシングルをセルフ・カヴァー。不朽のラヴ・バラードが、なんとアップ・テンポのポップ・チューンに。AOR風のアレンジで軽やかに聴かせる。
05たそがれ
シングル「まっ白」(2004年)のカップリング曲で、オフコースが1985年にリリースしたシングルをセルフ・カヴァー。原曲の物憂げな雰囲気を残しつつ、洗練されたアレンジで美しい余韻を感じさせるミッド・バラードに仕上げている。
06君住む街へ
『LOOKING BACK 2』(2001年5月)収録曲で、オフコースが1988年にリリースしたシングルをセルフ・カヴァー。“そんなに自分を責めないで”と語りかける歌声は、究極の癒しのよう。女性コーラスとの掛け合いもソロならではの味わいだ。
07恋は大騒ぎ
90年発表のシングル。軽快なモータウン・ビートと弾むようなメロディに心が浮き立つ、アッパーなポップ・チューンだ。サビとブリッジのメロディが重なる感動的なエンディングは、恋の切なさそのもの。第一生命「パスポート21」CMソング。
08いつか どこかで
小田和正第1回監督映画作品『いつかどこかで』(92年公開)の主題歌として書き下ろしたナンバー。小田自身が脚本を書いた映画のストーリーを暗示する歌詞と切ないメロディが、胸を締めつける。ほろ苦い大人のラヴ・ソング。
09そのままの 君が好き
小田和正が音楽を担当した東映アニメ映画『走れメロス』(92年公開)のテーマ・ソングとしてリリースされたシングル。爽やかなメロディにシンセ・ブラスや女性コーラスをフィーチャーした、ソウル・テイストのミッド・ポップ・チューンだ。
10こんな日だったね
99年発表のシングル。言葉数の多いサビと走るようなメロディが印象的なアップ・ミドル・チューンで、多くの小田作品に参加している著名ベーシストのネイザン・イーストがバック・コーラスを担当している。NISSAN「エルグランド」CFソング。
11the flag
2000年発表のソロ・アルバム『個人主義』収録曲。激動の日本を生き抜いてきた団塊世代ならではの歌詞と心を鼓舞する風のようなメロディに、胸が熱くなる。Yahoo! JAPAN「スポーツ応援プロジェクト2007」テーマ・ソング。
12たしかなこと
横や後ろや斜め前から歌われたものが多い彼のラブ・ソングにあって、対象に真っ直ぐ向き合い歌われている感があるこの曲は新鮮。そのためか、彼の伸びやかな歌声がこれまで以上に慈愛を湛えているように思えてくる。
13まっ白
TVドラマ『それは、突然、嵐のように…』主題歌のために書き下ろされたミディアム・テンポのバラード。惹かれ合う恋人たちの心のときめきをいっそう盛り上げる、ウインター・ラヴ・ソング。
14大好きな君に
優しい歌声をとことん映えさせた静かな趣のクリスマス・ナンバーは、歌詞に若葉や夏などの非クリスマス語が登場する言語感覚の妙も味わい聴きたい。打ち込みピアノやストリングスの音が聖夜のムードをしんしんと演出。
15ダイジョウブ
高く澄みきった声と美しいコーラスで優しく弾むように語りかける励ましの歌。“君のその笑顔が、みんなを幸せにしている”というフレーズが、心を温めてくれる。NHK連続テレビ小説『どんど晴れ』主題歌。