ミニ・レビュー
クラシック雑学アルバムなので、解説の比重がとても大きいのだ。故武川寛海の後継者とでもいうべき宮本英世が、その蘊蓄を存分に傾けて解説を書いている。こういうものは知っていて損はない。それに選ばれている演奏家が本格的で、蘊蓄抜きにしても結構楽しめる。
ガイドコメント
幅広い人気と話題性を誇るクラシックについて、知識を蓄えたい時にぴったりのアルバム。クラシック入門書も多く執筆している宮本英世の、ツボを押さえた選曲と解説が楽しめる。
収録曲
[Disc 1]
01別れの曲 (「別れの曲」は、じつは映画の題名だった) (ショパン)
02アヴェ・マリア (「アヴェ・マリア」は手抜きの見本?) (グノー)
03交響曲第7番「未完成」〜第1楽章 (「未完成交響曲」はなぜ未完に終わったのか?) (シューベルト)
04ゴルトベルク変奏曲 (不眠解消のために書かれたという曲?) (J.S.バッハ)
05ピアノ・ソナタ「月光」〜第1楽章 (「月光ソナタ」の由来とは?) (ベートーヴェン)
06交響曲第9番「合唱」〜第4楽章 (「第9」交響曲はなぜ年末に集中して聴かれるのか?) (ベートーヴェン)
07小犬のワルツ (犬にちなんだ曲の代表) (ショパン)
08ワルツィング・キャット (猫にちなんだ曲の代表) (アンダーソン)
09交響曲第94番「驚愕」〜第2楽章 (「驚愕」交響曲とは、何にびっくりするのか?) (ハイドン)
10常動曲 (楽譜通りに演奏すると、永久に終わらない曲) (J.シュトラウス2世)
11歌劇「カルメン」〜ハバネラ (明らかに盗作であるオペラ・アリアの名曲) (ビゼー)
12美しく青きドナウ (失敗作から蘇った「美しく青きドナウ」) (J.シュトラウス2世)
[Disc 2]
01交響詩「モルダウ」 (音のない暗黒の世界で書かれた交響詩) (スメタナ)
02アンダンテ・カンタービレ (文豪トルストイが涙を流したという曲) (チャイコフスキー)
03乙女の祈り (「乙女の祈り」は偶然から世界的になった) (バダジェフスカ)
04トルコ行進曲 (行進できない「トルコ行進曲」) (モーツァルト)
05水上の音楽〜アラ・ホーンパイプ (「水上の音楽」をめぐるふしぎな話) (ヘンデル)
06交響曲第9番「新世界より」〜第2楽章 (ホームシックから生まれた不滅の名曲) (ドヴォルザーク)
07交響曲第3番「英雄」〜第1楽章 (「英雄」交響曲をめぐる有名なエピソードは?) (ベートーヴェン)
08幻想交響曲〜舞踏会 (失恋した青年の自殺願望から生まれた曲) (ベルリオーズ)
09「白鳥の湖〜情景 (名曲「白鳥の湖」の人気を、作曲者は知らない) (チャイコフスキー)
10亡き王女のためのパヴァーヌ (言葉遊びから生まれた「亡き王女のためのパヴァーヌ」) (ラヴェル)
11G線上のアリア (「G線上のアリア」は、なぜそう呼ばれるのか?) (J.S.バッハ)
12交響曲第1番〜第4楽章 (20年もかけて完成した最初の交響曲) (ブラームス)