ミニ・レビュー
2008年、ロング・セールスを記録した「虹」(ドラマ『ごくせん』主題歌)などヒット・シングル4曲を含むサード・アルバム。メイン・ソングライターの太志が紡ぎだす“切なくて、でも、元気が出るメロディ”がさらに充実、ジャンルレスなアレンジ力もグッと向上している。
ガイドコメント
人気ロック・バンド、Aqua Timezの3rdフル・アルバム。TVドラマ『ごくせん』の主題歌「虹」をはじめ、映画主題歌やアニメのオープニング曲、CMタイアップ・ソングなど、おなじみのナンバーが多数収録された強力作だ。
収録曲
01BIRTH
アルバム『うたい去りし花』のオープニングを飾る、アコギのアルペジオにのせて1フレーズだけ歌う40秒ほどのトラック。アコギのあと一呼吸おいて入るアウトロのシンセが物語の始まりを予感させるようだ。
02Velonica
テレビ東京系アニメ『BLEACH』オープニング・テーマに二度目の起用となった2009年1月発表の8thシングル。うねるようなシンセと憂いを帯びた疾走感あふれるサウンドの上で、孤独の悲しみを我慢することはないんだと歌うロック・チューンだ。
03別れの詩-still connected-
“別れ”と言ってはいるが、内容は旅立つ友への手向けの言葉を寄せた希望あふれるポジティヴなナンバー。疾走感のある清々しいロック・サウンドにのせて、消えることのない強い絆を歌った応援ソングとなっている。
04虹
日本テレビ系ドラマ『ごくせん(第3シリーズ)』の主題歌となった6thシングル。不思議と励まされる“大丈夫だよ”のフレーズとキラキラとした清涼感のあるサウンドが心地よい、前向きな気持ちにしてくれるミディアム・ポップの応援歌だ。
05STAY GOLD
「代々木ゼミナール」CMソングに起用され、完全限定生産で発表された9thシングル。自分の生き方に自問自答しながらも自分らしく生きていくことを誓った、夢や誇りにのっとって生きる素晴らしさを表現したメッセージ・ソングだ。
06夏のかけら
新垣結衣主演映画『フレフレ少女』主題歌となった7thシングル。ノスタルジックでほろ苦いミッド・スローで、大人になってから感じる、懐かしくいとおしい青春時代のみずみずしさがしみじみと伝わる一曲だ。
07ほんとはね
配信限定で発表された後、5thシングル「虹」に収録されたミッド・ナンバー。恋心を寄せる相手に本心とは逆のことを言ったり子供のような態度を取りながらも、“ほんとはね”とこっそり想いを吐露する描写がいじらしいファンタジックな一曲。
08massigura
刺さるようなラップが特徴の攻撃的なミクスチャー・チューン。音楽に身を捧げてから今まで、そしてこれからも“まっしぐら”に突き進んでいくんだと高らかに歌い上げる宣誓ソング。ヴォーカル、サウンドともに強い意志が感じられるアグレッシヴな仕上がりだ。
09月、昇る
乾いたギターのカッティングが渋さと哀愁を感じさせる情熱的なナンバー。変わりたいけど変われない、決めてから踏み出せない状態から、“突き抜けろ”と奮い立たせて背中を押すだけでなく、“もういちど駆け出す”といった自身の決意も歌っている。
10この星に
ドライヴ感のあるサウンドで駆け抜けるパンク・ロック・ナンバー。過ぎた時間は振り返らずひたすらに前へ突き進んでいく……という、力強さと爽快さを兼ね備えた気合の入るアツイ一曲だ。“人生に意味を問うなよ逆だろう”と喝を入れてくれる。
11きらきら (original ver.)
キリンビバレッジ「潤る茶」CMソングのオリジナル・ヴァージョン。別々の道を歩もうとするふたりが再会を約束する青春ソングで、距離があっても離れない心の絆を描いている。エレクトロ調のキーボードのエッセンスが効いたポップ・ナンバーだ。
12One
ゆったりと跳ねるようなレゲエ風サウンドが心地よい、温かいポップ・ナンバー。人間の弱さを受け入れ、たったひとつのことのために強くありたいと願うだけでも構わない、それがほかのことに繋がっていくんだと語りかけるように歌っている。
13うたい去りし花
壮大で力強いストリングスを敷いたロック・ナンバー。生きていれば誰しもが一人で悩みを抱えるけれど、そうした苦悩や挫折を踏みしめて一歩ずつ前進することが“生きる”ことなのだと歌うメッセージ・ソングだ。
14Re:BIRTH
アルバム『うたい去りし花』の1曲目「BIRTH」のロング版。ストリングスを組み込んだ、ドラマティックなロック・サウンドに仕上がっている。“人は人を 愛さずには いられないものなのでしょうね”という「BIRTH」との共通フレーズを軸に愛を歌っている。
15虹 (Album ver.)
日本テレビ系ドラマ『ごくせん』主題歌として話題となった6thシングルのアルバム・ヴァージョン。歌い出しの詞が変更され、アコギを前面にフィーチャーしたサウンドとなっている。より軽快で清涼感のある仕上がりだ。