ミニ・レビュー
インディーズ時代にサマーソニックに2年連続出演、メジャー・デビュー後も着々とステップ・アップを続ける4人組の2作目。光村龍哉(vo)の手による美しく力強いメロディと、スケールの大きなロック・サウンド。彼らが次代を担うロック・バンドだということを確信させてくれる作品だ。
ガイドコメント
2009年11月25日発表の2ndアルバム。TBS系アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL〜』オープニング曲「ホログラム」、映画『蟹工船』主題歌「風人」などを収録。若さ弾けるロックからミディアム、バラードまでを収めた充実作だ。
収録曲
[Disc 1]
01Aurora
2ndアルバム『オーロラ』のオープニングを飾るにふさわしいタイトル・ナンバー。夢を叶えるために新たな旅立ちに出る様子をポジティヴに描く。光が降り注ぐような鮮麗なサウンドが、進むべき道を照らし、飛び出す勇気を与えてくれる曲だ。
02ホログラム
TBS系アニメ『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』オープニング・テーマのために書き下ろしたメジャー5枚目のシングル。夢を追ってまだ見ぬ世界へ歩き出す主人公を光が照らし出す、前向きな内容だ。
03芽
限りある命の中で、儚い今という時間を懸命に生きることの素晴らしさを綴ったナンバー。清涼感あるサウンドにのせた“君が描いた思い通りの日々を 咲かせる物語”というメッセージや堂々とした歌唱が、自信や希望を与えてくれる。
04Lonesome Ghost
ラテンの要素を取り入れたロック・ナンバー。小気味よく刻まれるコンガのリズムに情熱的なバンド・サウンドが絡み、見事な一体感を生み出している。光村の艶やかな熱い歌唱も楽曲の雰囲気によくマッチしている。
05ビッグフット
“NICO”第2章突入として、完全生産限定で発表された4thシングル。“思い切り高く飛べ さあ行こうぜ”と歌う力強い内容で、気合いの入った躍動感あふれるサウンドの中、迷いのない芯のある歌唱が耳を引く。彼らの熱い想いが伝わってくる一曲だ。
06かけら-総べての想いたちへ-
日本テレビ系ドラマ『傍聴マニア09〜裁判長!ここは懲役4年でどうすか〜』主題歌の6thシングル。相手へのひたむきな想いを綴った詞が切なく、“伝わったらいいのに”というもどかしさが胸を締めつける。ソウルフルに歌い上げるサビが印象的。
07錆びてきた
ヘヴィでハードなロック・ナンバー。エッジの効いたヒリヒリとしたギターが終始目立ち、大サビではさらに疾走感が加わった爆発するサウンドに圧倒される。“よく似合う よく似合う 僕に合う”というフレーズが耳に残る。
08レオ
バンドを引っ張る光村のアイデンティティが色濃く出たナンバー。“オレはジキルでハイド”など、独特の言葉で綴られた詞世界が印象深い。テンポやリズム、曲調の変化など、プログレ的要素が目立つ楽曲に仕上がっている。
09N極とN極
似ているのに対立する二人を“N極とN極”という言葉で表現した別れの歌。飾らない率直な言葉で淡々と綴られた歌詞が、賑やかで躍動感あふれる明るいサウンドに乗ることで余計物悲しいものとなっている。
10風人
映画『蟹工船』主題歌のために書き下ろされたナンバー。躍動感あふれるサウンドに乗せ、希望を燃料に突き進むという強い決意を歌う。“光の速さまで上り詰めろ人類よ”などの鼓舞するような熱い言葉と光村の勇みだった歌い方が胸を高ぶらせる。
11波
光村が中学生の時に作ったバラード。“涙色”の思い出を振り返り、大切な人への気持ちを叙情的に綴った詞が心に沁みる。ノスタルジックなメロディに乗せて、自分に言い聞かせるように“今夜は泣かない”と穏やかに歌う。
12トマト
光村が高校生の時に作ったバラード。君への想いと命の尊さをリンクさせた詞が印象的で、彼の表現力の高さがうかがえる。柔らかいギターと浮遊感のある優しいメロディが、歌詞の世界観を引き立てている。新たな“NICO”の一面が見える大作だ。
[Disc 2]〈DVD〉
012009/06/20 日比谷野外大音楽堂ドキュメンタリー映像
02B.C.G
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