ミニ・レビュー
彼女の“新歌謡(進化窈)”三部作第3弾は、冬の恋の始まりのときめきをポップに歌った「冬めく」や時代劇映画『花のあと』の主題歌で和テイストでしっとりと歌った「花のあと」、映画『BANDAGE』の挿入歌になったテクノっぽい「サイコロ」など、曲によってヴォーカルがさまざまな表情を見せる。「Top Of The World」は英語詞でカヴァー。
ガイドコメント
2010年1月20日発表のシングル。“新歌謡/進化窈”をコンセプトとしたシングル三部作の第三弾となる本作は、第二弾「うんと幸せ」とは打って変わり、グルーヴ感あふれるポップ・チューンに仕上がっている。
収録曲
01冬めく
“新歌謡/進化窈”三部作のラストを飾る、愛する人へ向けた抑えがたい感情を勢いのままに歌い上げたミディアム・ナンバー。冷えた情景を思わせるタイトルだが、対照的に熱を帯びていく心情描写によって、その印象を見事なまでに裏切っているところが面白い。
02花のあと
キーボードやストリングスで繰り返す、和風と中華風の中間のようなテイストのメロディが耳に残るミディアム・スロー・バラード。秘めた事情を抱えた恋心の一片を花霞に包んでぼんやりと伝えるような、文学的な詞が魅力だ。繊細な色彩感にあふれた一曲。
03サイコロ
エレクトロとアンビエントを立体交差させたようなダンス・チューン。違う男からのアプローチに一抹の疑問を持ちながら、刹那的な恋に身を任せる“あたし”を冷静に分析。冷ややかな詞だが、一青の清楚なヴォーカルによって逆に力強く響いてくるから不思議だ。
04Top Of The World
倉木麻衣、キマグレンに続き、ライオン「香りつづくトップ」CMに起用されたカーペンターズのカヴァー。ラテン・パーカッションの効いたカリブ風サウンドに乗せ、“あなたと出会い、私は世界の頂点に立った”という晴れやかな詞を、楽しげかつ熱っぽく歌う。
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