ミニ・レビュー
E-girlsのメンバーとしても活躍する彼女たちのセカンド・アルバム。ダンサブルかつメロディアスなのはもちろん、曲のタッチとしては可憐な女性の心を歌うものが多い。感情豊かな高い歌唱力によりメッセージが伝わりやすく、きっと同世代から共感を受けることだろう。
ガイドコメント
前作『Flower』以来約1年2ヵ月ぶりとなる、2015年3月4日リリースの2ndアルバム。チャート3位を記録した「秋風のアンサー」などのシングルを含む全13曲を収録した、彼女らの充実ぶりがうかがえる一枚となっている。
収録曲
01花時計〜Party's on!〜
2枚目のアルバム『花時計』のタイトル・トラックは、儚げなピアノの音色からクールなトラックへとなだれ込むダンス・チューン。ライヴに参加したオーディエンスへのメッセージともいえるフレーズもチラホラと入れつつ、カラフルに歌い上げる。
02秋風のアンサー (version2015)
日本テレビ系ドラマ『ビンタ!〜』の主題歌に起用された8thシングル。三代目JSB「C.O.S.M.O.S.〜秋桜〜」のアンサーソングという側面も持つピアノの音色が美しいミディアム・バラードで、“ごめんね 好きなの”というラストのフレーズが刺さる。
03青いトライアングル
ピアノとスパニッシュなギターの音色でセツナ系サウンドを構築したミディアム・アップ・チューン。友人の彼を好きになり、想いをとめることができず“トライアングル”を描いてしまったことを後悔するような、思いつめたヴォーカルが悲しく響く。
04さよなら、アリス
恋の終わりを男性目線で描いたミディアム・バラード。幸せに過ごしていた日々を思い返し、悲しみにくれる姿をたくみに描き出したヴォーカルは見事。整理できないまま感情が起伏する様子を表わしたようなダイナミズムに富んだアレンジも印象的だ。
05熱帯魚の涙 (version2015)
二胡をはじめエキゾチックなサウンド前面に押し出したユニークなR&B。愛を知ることができないまま“涙の海”を泳ぎ続けていた自分を熱帯魚にたとえ、夏とともに思い出すあなたのことを描く。フェイクを多用した情感豊かなヴォーカル・アレンジが印象的。
06Dolphin Beach (version2015)
爽やかなタイトルとは裏腹に、エフェクトを施したくぐもったサウンドやアーバンな雰囲気が耳を惹くミディアム・アップ・チューン。大人っぽく色気のあるヴォーカルで、イルカが泳ぐリゾートの海を舞台に移ろいやすい夏の恋を歌う。
07Flower Garden (version2015)
“忙しすぎる毎日はなんて素敵なの!”という歌い出しからポジティヴな力に満ちたダンス・チューン。力強いサウンドに乗せて“あなたがいて私がいるだけでバラ色の日々”と繰り返しながら、前を向いて進んでいくことの大切さを教えてくれる。
08Dreamin' Together (feat.Little Mix)
イギリスのガールズ・グループ、リトル・ミックスをフィーチャーしたアッパー・チューン。ファンキーなトラックに乗せて、仲間とともに夢へ突き進んでいく決意を綴った力強いメッセージを、両者ともに抜群の歌唱力で華やかに歌い上げている。
09あの日のさよなら
DJ DECKSTREAMが自身のアルバムにおいて鷲尾伶菜をフィーチャーして制作したナンバー。街で見かけたことで忘れていたはずの気持ちを思い出し悲しみにくれる姿を、ピアノを中心としたトラックに乗せて、ファルセットを多用した美しいメロディで描く。
10Spring has come
ギターのアルペジオやピアノを中心としたハートウォーミングなサウンドで進むミディアム・バラード。卒業式を目前に控えた学校を舞台に、咲くことのなかった初恋を歌った切ないラヴ・ソングだが、どこか優しく温かい雰囲気に満ちている。
11七色キャンドル
私からあなたへと、あなたから私へと、決して消えないキャンドルの炎を……二人で生きていく温かな時間と決意を描いた歌詞がじんわりと染みるミディアム・スロー。キャンドルの炎を大切に繋いでいくような、丁寧なヴォーカルが胸に響く。
12時間旅行
ストリングスを配したドリーミーなサウンドで彩られたドラマティックなバラード。このまま死んだって生まれ変わってまた出逢えるでしょう……大切な人へのこれ以上ない真っ直ぐな想いを歌い上げる。SF的なモチーフを加速させるスペイシーな装飾音がいいアクセントに。
13白雪姫 (orchestra mix) (version2015)
6枚目のシングルとして発表されたウィンター・バラードの“orchestra mix”。パイプオルガン風の音色を配した冒頭から、荘厳かつドラマティックな要素がたっぷり。美しいメロディの魅力を最大限に引き出している。