ミニ・レビュー
フィメール・ラッパーとしてシーンを牽引してきた彼女の4作目。JAMOSA、HI-D、RUDEBOWY FACE、DJ BEATといった実力派アーティストとコラボレートし、ヒップホップ、レゲエ、R&Bといったバリエーション豊かなサウンドを、心地よいヴォーカルで彩っている。
ガイドコメント
Miss Mondayの4thアルバム。ゲストにJAMOSA、RUDEBOWY FACE、Rickie-Gら実力派アーティストを迎え、ポップな曲からフロア対応の曲まで、今まで以上にヴァラエティに富んだ仕上がりだ。
収録曲
01Birth
アルバム『&I』のオープニングを飾るプロローグ的作品。トロピカルな雰囲気のインストゥルメンタル・ナンバーで、夢から徐々に目覚めていくときのようなまどろみをくれる。南国の景色がうっすら浮かんできそうだ。
02BURN IT UP
リズム以外は何も要らないと言わんばかりの武骨なトラックに乗せて、力の入ったラップを聴かせる。ドカドカしたリズムにファンキーなアレンジが重なり、剥き出しの荒々しさとストイックさを感じさせるナンバー。
03RIGHT HERE RIGHT NOW
ダンスホール・レゲエ風味のトラックにホーンの音色が絡んだ、大人っぽい雰囲気のナンバー。リズミカルかつ流れるようなラップに乗せて、聴き手や自らを煽っていく。“行け大胆BOON!”というフレーズが印象的。
04雨虹-no rain、no rainbow- (album ver.)
「雨なくして、虹はなし(no rain, no rainbow.)」というハワイの言葉に触発されて作られた「雨虹」のアルバム・ヴァージョン。軽やかなギターが心地良く、親しみやすさにあふれた演奏。
05約束
いつか交わした“約束”を思い出しながら、今を見つめ直したときのことを切り取った、R&B色の濃い曲。生温かい風が吹き抜けていくようなサウンドから、懐かしさや未来への想いが入り混じった感情が漂ってくる。
06LOVE IS BLIND (feat.JAMOSA)
囁くようなJAMOSAのコーラスをフィーチャーした、軽やかなテイストの曲。鼻歌のようなJAMOSAの歌声をバックに、休日に彼に会いに行くウキウキした気分を、スキップしたくなるようなラップで聴かせる。
07HANDLE W/CARE (feat.HI-D)
恋人間のちょっとしたすれ違いを男女の掛け合いで聴かせる、HI-Dとのデュエット曲。彼女をなだめようとするHI-Dによる滑らかなコーラスと、複雑にこんがらがった彼女の心理を切り取ったラップが対照的。
08Moments
アルバム『&I』のインタールード的インストゥルメンタル・ナンバー。サックスのメロディアスな旋律にトランペットが微かに絡み、ゆったりとした空間を作り出す。夏の午後に一息つく、昼休みに似合いそうな小曲。
09逃げろ!
ジャジィなリズムとガレージを思わせる粗野なアレンジが混ざり合ったサウンド構成が特徴的。音の隙間や残響を活かしたトラックが、居心地の悪い場所から逃げ出す“抜き足差し足”の感覚をスリリングに演出する。
10RED KUNOICHI BLACK NINJA (feat.RUDEBWOY FACE)
ラテン系のリズムに乗って、RUDEBWOY FACEと交互に“手裏剣”や“江戸”といったユニークな言葉を繰り出していく。カーニバルを思わせるサウンドに東洋的な雰囲気が加味された、小気味良いナンバー。
11美味!
ホーンの音色と手拍子に乗せて、明石や広島など各地の名物を挙げていき、“ホント美味!”と歌う愉快なナンバー。踊りながら日本全国を旅しているような気分になり、一緒に“日本食バンザイ!”と掲げたくなる。
12STILL STRUGGLE (feat.DJ BEAT)
洗練された雰囲気のトラックに乗せて、メロディアスなラップが自問自答の日々を歌う。サックスが気だるく絡み、秋の夜長に似合いそうな哀愁や憂鬱を漂わせていく。DJ BEATのターンテーブル・プレイが聴ける。
13SHARE (feat.Rickie-G)
Rickie-Gの滑らかかつ歯切れの良いコーラスをフィーチャーした、レゲエ・ナンバー。“SHUP SHUP STAP TURU”など、発するだけで気持ちの良い言葉が、心を解きほぐし、温めてくれる。
14I WISH...
夜、自分を見つめ直すときに聴きたくなるような曲。繰り返されるリズムに導かれ、抑揚をおさえた落ち着きのあるラップによって、大切なものを確認していく。 “何かひとつ 誰かひとり”というフレーズが心に残る。
15&I
アルバム『&I』の最後を締めるエピローグ的作品。土着的なリズムとストリングスやホーンなどの音色が混ざり合った、短いインストゥルメンタル・ナンバー。レトロ風味のサウンドがドリーミーな雰囲気を演出する。