ガイドコメント
日本のギター・ロック・シーンを追撃するネクスト・ブレイカー、キャプテンストライダム。本作は、4枚のシングル曲を含む、ダンス、ファンク、フォークからサイケデリックまで、ヴァラエティ豊かな名曲揃いの名盤。
収録曲
01サイボーグ
70年代歌謡曲への偏愛を公言してはばからない彼らが、ポップ・スター沢田研二に対するオマージュをこめて作ったナンバー。レトロなメロディを現代的な解釈で再生したサウンドは、新しいロックの萌芽を予感させる。
02キミトベ
テレビ東京系バラエティ番組『ぶちぬき』エンディング・テーマに起用された、シングル・ナンバーにして彼らの代表曲。ダフト・パンクを意識したという80'sフレイヴァーなサウンド、疾走感のあるリズム・セクションが爽快だ。
03フランクフルト
ハード・エッジなロック・テイストにディスコティークなスパイスをちりばめたナンバー。3ピース・バンドらしいシンプルなアレンジながら、重低音の効いたギター・サウンドが強靱なグルーヴ感を生み出している。
04バースデー
ローリング・ストーンズのハード・ロック・テイストにビートルズのポップ・センスが加味されたかのような、キャプテンストライダムならではの疾走チューン。スウィンギーなピアノ・セクションが、爽快感を残していく。
05十五夜
キャプテンストライダムのルーツ・ミュージックの1つでもある四畳半フォーク・ソングを、21世紀型にアップ・デート。高田蓮による穏やかなペダルスチールの音色が、日本人の原風景を掘り起こしてくれるようだ。
06悲しみのシミかな
浮遊感のあるシンセサイザーやセンチメンタルなリリックでリスナーに極上のトキメキ感をもたらす、胸キュンな8ビート・ナンバー。「悲しみのシミかな」という語感は、松本隆にも通じる”ブンガク”を感じさせている。
07マウンテン・ア・ゴーゴー・ツー
テレビ東京系アニメ『NARUTO』第7期エンディング・テーマ曲。真心ブラザースのYO-KING風の永友のパワフルなヴォーカルが、リスナーのハートを鷲づかみにする、骨太なロックンロール・ナンバーだ。
08GOOD HARVEST
ドンドコ、ドンドコというドラムのビートが畑を耕すリズムにシンクロするお百姓さんの歌。レッド・ツェッペリンに代表されるサイケ・ロックが現代に甦ったら? という発想から生まれた、ユニークなアレンジが面白い。
09メトロのメロス
“ビューン”というチープなエフェクト音が、彼らが80年代のリスペクト・バンドであることを十二分に語っている、遊び心あふれるナンバー。宮崎県出身の永友が東京に出てきた時に、地下鉄で感じた違和感を歌詞にしている。
10流星オールナイト (album edit)
キャッチーで口ずさみやすいメロディに、懐かしさを感じさせるディスコ・ビートが有機的に絡み合う。仮タイトルが「ポカリス(ポカリスエット)」だったというのも納得な、のどごしが爽やかで清涼感にあふれたポップ・ソング。
11泣きそうに見えるけど オレは今笑おうとしてる
Cのスケールで録音したトラックをCシャープにキー・チェンジして作られたナンバー 。スピッツのようにメロウで、GOING UNDER GROUNDのようにセンチメンタルな、まばゆいばかりの叙情性が刻み込まれた国産ロック。