ミニ・レビュー
毎年恒例、グラミー賞ノミネート・アーティストの楽曲を収録したコンピ・シリーズ第19弾。ブラック・キーズからケイティ・ペリー、カーリー・レイ・ジェプセン、エド・シーラン、そしてアデルまで、さすが! のインパクトを放ちながら、2012年の音楽シーンを振り返らせてくれる。
ガイドコメント
世界最大にして最高の権威を持つ音楽賞、グラミー賞のノミネート作品から厳選収録するコンピレーション・シリーズ『グラミー・ノミニーズ』の第19弾。2013年2月10日に発表となる第55回グラミー賞の候補作品をたっぷりと味わえる。
収録曲
01LONELY BOY
2001年にオハイオ州で結成されたロック・デュオ、ザ・ブラック・キーズの、2013年のグラミーで最優秀ロック・ソングに選ばれた楽曲。持ち味であるブルース・フィーリングをモダンに解釈したバンド・サウンドを見事に生かしている。
02STRONGER (WHAT DOESN'T KILL YOU)
2000年以降に登場したアメリカ音楽界を代表する女性シンガーの一人、ケリー・クラークソンの2012年の大ヒット・チューン。ザ・バード&ザ・ビーのグレッグ・カースティンが作曲を手がけた、ドラマティックな展開のポップ・チューンに仕上がっている。
03WE ARE NEVER EVER GETTING BACK TOGETHER
アメリカでは発売初週で100万枚以上を売り上げたテイラー・スウィフトのアルバム『レッド』から、2012年8月リリースの先行シングルにして大ヒット曲。カントリーの枠にとらわれない彼女の一面が垣間見える楽曲に仕上がっている。
04SOMEBODY THAT I USED TO KNOW
ベルギー出身、オーストラリアを拠点に活動するシンガー・ソングライターのゴティエ。彼の名を一躍世に広めることとなった、2013年のグラミーの年間最優秀レコード賞受賞曲。スティングを彷彿とさせる柔らかいヴォーカルが印象的なポップ・チューンだ。
05WIDE AWAKE
2008年のデビュー後、“新世代ポップ・スター”と呼ばれてきたシンガー・ソングライター、ケイティ・ペリーの2012年リリースの楽曲。彼女の人生観を表現したとも思える、伸びやかなヴォーカルを生かしたエレクトロなミッド・チューンだ。
06WE ARE YOUNG
ヴォーカリストのネイト・ルイスを中心に2008年に結成されたバンド、FUN.の、2013年のグラミーで最優秀楽曲賞を受賞した代表曲。人気ドラマ『glee』でも使用された、否応なしに高揚感を煽るミュージカル風味のポップ・チューン。
07SHAKE IT OUT
UKアーティスト、フローレンス・ウェルチ率いるフローレンス・アンド・ザ・マシーンの2ndアルバム『セレモニアルズ』の先行シングル。どん底にいても、朝の来ない夜はないと信じる不屈の歌。荘厳かつ壮大なサウンドに透きとおるようなコーラスが華を添える。
08TRY
P!NKの4年ぶりの6thアルバム『トゥルース・アバウト・ラヴ』からの2ndシングル。パートナーの気持ちがわからなくなってしまった心情を綴り、それでも“立ち上がってトライしなきゃ”と繰り返すパワフルな歌詞を、エモーショナルな美声で訴える。
09PAYPHONE
マルーン5の5thアルバム『オーヴァーエクスポーズド』に収録のシングル曲。人気ラッパーのウィズ・カリファをフィーチャーしたヒット・チューンで、明るいメロディ、伸びやかで爽快なヴォーカルとは裏腹に、失恋して落ち込んでいる男の気持ちを歌っている。
10CALL ME MAYBE
2008年にデビューした女性シンガー・ソングライター、カーリー・レイ・ジェプセンの2012年の大ヒット。ストリングスの音色をアクセントに使ったドラマティックな展開のサウンドが、出会ったばかりの男の子にときめく乙女心と見事にマッチしている。
11ADORN
2010年にデビューしたメキシコ系ブラック・アーティスト、ミゲルの2ndアルバム『Kaleidoscope Dream』に収録のシングル。トラディショナルなR&Bとは一線を画す、ファンクやエレクトロなどをミックスさせたサウンドが心地よい。
12THE A TEAM
91年UK生まれのシンガー・ソングライター、エド・シーランの2011年リリースのメジャー・デビュー・シングル。少し乾いた優しい歌声とアコースティック・ギターを基調としたオーガニックなサウンドが安らかで心地よい。
13WANTED
91年生まれのカントリー・シンガーにしてマルチ・インストゥルメンタリスト、ハンター・ヘイズの、セルフ・タイトルを冠したメジャー1stアルバム収録曲。穏やかなメロディを紡ぐ柔らかな美声が心地よく、確かな演奏とソングライティング力をみせつける。
14HO HEY
コロラド州デンバーを拠点に活動する男女3人組バンド、ザ・ルミニアーズが2012年に発表したヒット・シングル。ドラム、ギター/ヴォーカル、チェロという珍しい組み合わせの、足踏みや手拍子を取り入れたアコースティック・サウンドに癒されること必至。
15HOLD ON
紅一点の黒人シンガー、ブリタニー・ハワードを中心とする4ピース・バンド、アラバマ・シェイクスのデビュー・アルバム『ボーイズ・アンド・ガールズ』に収録のシングル。ジャニス・ジョプリンやアレサ・フランクリンが引き合いに出される歌声がインパクト大。
16I WILL WAIT
2013年のグラミー賞で最優秀アルバム賞を受賞した、ロンドンの4人組フォーク・ロック・バンド、マムフォード&サンズの2ndアルバム『バベル』に収録の楽曲。フォーキーなギターの音色と哀愁漂うメロディ&歌声がクセになる。
17PYRAMIDS
2013年のグラミー賞で最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバム賞を受賞したR&Bシンガー・ソングライター、フランク・オーシャンの2ndアルバム『チャンネル・オレンジ』収録曲。ドラマティックなサウンドと色香漂う歌声が想像力をかきたてる。
18WE TAKE CARE OF OUR OWN
常にアメリカの持つ問題を見つめ続けるブルース・スプリングスティーンが2012年にリリースした通算17作目のアルバム『レッキング・ボール』に収録のシングル曲。爽快なロック・サウンドに乗せて、アメリカの未来や希望について歌っている。
19FREEDOM AT 21
ザ・ホワイト・ストライプスや別プロジェクトでの活動を経たジャック・ホワイトの2012年発表の初ソロ・アルバム『ブランダーバス』収録曲。複雑かつ絶妙なドラミングとエレキ・ギターの音色が特徴の、緊張感に満ちたロック・チューンに仕上がっている。
20MADNESS
99年にデビューしたイギリスの3ピース・バンド、ミューズの通算6枚目のアルバム『ザ・セカンド・ロウ』収録のシングル。新境地ともいえるダンサブルなサウンドを大胆に使用した、壮大なミディアム・チューンだ。グラマラスな歌声も◎。
21CHARLIE BROWN
コールドプレイが2011年に発表した5thアルバム『マイロ・ザイロト(MX)』からの3rdシングル。美しいギター・フレーズをはじめとする、躍動感あふれるバンド・サウンドが高揚感を生むロック・チューンで、効果的に使われたコーラスがさらなる感動を呼ぶ。
22SET FIRE TO THE RAIN
フジテレビ系『息もできない夏』劇中歌に起用された、ロンドン出身のディーヴァ、アデルによる2ndアルバム『21』からの3rdシングル。男女の別れを切々と綴った悲しみのラヴ・ソングで、情感を込めたソウルフルかつ豊満なヴォーカルが見事。