ミニ・レビュー
アジアン・テイストのサウンドが斬新な(2)、本人主演ドラマ『仔犬のワルツ』の主題歌(8)をはじめ(5)(10)といったシングル曲を含むセカンド・アルバム。(7)はモー娘。時代の「ふるさと」を彷彿させ、ちょっと感動。いろんな表情を見せる温かみのあるヴォーカルがいい。
ガイドコメント
前作から約2年ぶりとなる通算2作目のオリジナル・アルバム。「だって生きてかなくちゃ」「夢ならば」「恋の花」に加えて、2006年3月発売のシングルも収録したファン待望の1枚。
収録曲
01学生時代
2ndアルバム『2nd〜染みわたる想い〜』のリード・トラックで、“元気かな?”と優しく語りかけるイントロが印象的なポップ・チューン。偶然街で昔の彼を見つけ、懐かしい思い出がフラッシュバック! 思い悩むさまを甘酸っぱく歌う胸キュンソング。
02恋の花
5thシングルはアジアン・テイストなメロディが映える、明るく軽快なナンバー。サウンド・プロデュースを島谷ひとみらを手掛けるBULGEが担当、安倍なつみにとって新境地を開く作品に仕上がっている。
03F.O.
恋の悲しい結末を綴った歌詞をノリノリのダンス・チューンにのせ、全体的にメリハリのある楽曲に仕上げている。曲の間奏部分で奏でられるトランペットやサックスが、傷ついた乙女心を表わしているようで、心に痛く響く。
04夕暮れ作戦会議
まさに、女の子の井戸端会議を思わせるナンバー。会議のテーマは“失恋せまる”。みんなでワイワイとアドバイスをしながら泣いたり笑ったりする様子を、切なくも明るくキュートな歌声で綴る、爽やかなミディアム・バラード。
05夢ならば
2005年4月リリースの4thシングルは、女の艶っぽさを全篇に感じさせるヴォーカルが印象的なミディアム・バラード・ナンバー。別れた彼への想いを馳せながらも、彼の幸せを願う、けなげな姿が目に浮かび、涙してしまう。
06日曜日 What's Going On?
デジタル・サウンドを随所に折り込んだ、明るくノリノリのナンバー。日曜日に何かが起きそうな予感がする、待ち遠しい気持ちが曲全体に溢れている。日曜日を最高な日にさせるマジックを持ったアッパー・チューン。
07東京みちくさ
イントロからサビに至るまで心地良く聴こえるリコーダーの音色が、田舎の懐かしい風景をイメージさせる。ゆったりとしたメロディ・ラインと優しい歌声が疲れた心を癒し、張りつめていた糸を緩ませてくれるナンバーだ。
08だって 生きてかなくちゃ
モーニング娘。の看板娘として長年にわたって活躍した安部なつみの「娘。」脱退後、初のソロ・シングル。本人主演のドラマ、『仔犬のワルツ』の主題歌。感動的な歌詞がエキゾティックなダンス歌謡に乗せて歌われる。作詞作曲はもちろん、つんく♂。
09エレベーター二人ぽっち
水がこんこんと湧き出るように募っていく恋心を、嬉しくもあり気恥ずかしくも感じる、甘酸っぱい片思いソング。この曲から伝わる、“人を好きになることが世界を明るく楽しくさせるのだ”という信念に共感してしまう、軽やかで心弾むナンバー。
10恋のテレフォンGOAL
安倍なつみの3rdソロ・シングル。モータウン・サウンドを下敷きにした超ポップ・ソング。「恋のピロリン、ピロリンテレフォンコ〜ル」と明るく弾けた歌詞が素晴らしい。コーラスでハロプロ仲間の稲葉貴子が参加。
11ちょっとずつね。
幸せと思えるのが一番幸せだという歌詞に、しみじみと共感してしまうスロー・バラード・ナンバー。ピュアで温かく包み込むようなヴォーカルが、何気ない幸せを文字通り“ちょっとずつ”運ぶハッピー・ソング。
12エンディング
2ndアルバム『2nd〜染みわたる想い〜』のエンディング曲。同アルバム収録の「学生時代」に登場する元カレについて、友達と電話で話すという展開。まくしたてなければ話せない心の迷いを表現した30秒の寸劇風トラック。