ガイドコメント
不慮の事故で亡くなったレフトアイが遺したトラックを完成させた、このメンバーでの最後のアルバム。不幸な事故を微塵にも感じさせないグルーヴィなトラックは、今回も世界中の話題となること必至。
収録曲
013D
アルバム『3D』のオープニングは、レフト・アイのナレーションからスタートし、“Ayyyee, ayyee”というコーラスが強い印象を残すハイパー・チューン。3人で築き上げてきた世界をこれからも披露していくんだという強靭な生命力が感じられる。
02QUICKIE
レフト・アイのトークによるオープニングから畳み掛けていくビート・サウンドへと展開する、パワフルなファンキー・トラック。リズム・パターンの上を滑空するようなレフト・アイのラップも出色な、ダラス・オースティンのプロデュース曲。
03GIRL TALK
口惜しくもレフト・アイのラスト・テイクとなったアルバム『3D』からのリード・シングル。ファンクの色香を匂わせながら進むリズムと、滑空するようなコーラス、活力漲るラップがクールに融合した上質のチューン。
04TURNTABLE
ダーク・チャイルド名義で今を時めくロドニー・ジャーキンスのプロデュース。従来のロドニー・サウンドとは趣を異にした、ギター・カッティングのイントロから、ほどよく熱を抑えたメロディが優美でマイルドな曲。
05IN YOUR ARMS TONIGHT
ザ・ネプチューンズがプロデュースを手掛けた、スムース&メロウなR&Bチューン。“今夜はあなたに抱かれて過ごしたい”というムーディな内容だが、キュートな“ララララララララ”のコーラスなど、心をくすぐるアプローチが満載だ。
06OVER ME
ロドニー・ジャーキンスとトゥロン・オースティンがヴォーカル参加した、ロドニーのプロデュースによるバウンシーなナンバー。最低な男なんてオサラバという内容で、レフト・アイが痴話げんかで恋人の家に放火した事件をネタにしたフレーズも飛び出す。
07HANDS UP
ベイビーフェイスとダリル・シモンズの共作で、スロー・ダウンなビートが特色。曲名はアッパーな感じだが、クラブで他の女と踊っている恋人を見つけた……という内容で、T-ボズのクールなヴォーカルが映えるダウナーなムードが漂うR&Bとなっている。
08DAMAGED
『3D』からの3rdシングルで、プロデュースはダラス・オースティン。軽快なギターを軸としたバンド・サウンドが特徴で、“過去に傷心したけど、今はあなたに夢中なの”とピュアな恋心を綴ったハートウォームなR&Bチューン。
09DIRTY DIRTY
ティンバランドとミッシー・エリオットの共作のアトランタ&TLC賛歌。うねるようにアップ・ダウンする効果音と変則的なビートを組み合わせた斬新なアプローチが特色で、ミッシーをはじめとするMC陣がパワフルに飛び込んでくるパーティ・チューン。
10SO SO DUMB
ラファエル・サディークのプロデュースが光る、16ビートのメロディアスなミディアムR&Bチューン。“素敵な妻がいるのに、私をつまみ食いしようとしないで”とバカな男をののしる内容だが、とげとげしさなどが見られないスムースなコーラスが魅力。
11GOOD LOVE
エドモンド“ハッスル”クレメントのプロデュースによるミディアムR&Bチューン。“最高のパートナーを見つけた”という詞を、芯のぶれないT-ボズとハートウォームなチリのコーラスで絶妙に表現し、ハッピーな雰囲気を生み出している。
12HEY HEY HEY HEY
イントロやフックにも登場するロドニー“ダークチャイルド”ジャーキンスが手掛けた、彼特有の陰りが見え隠れするダンサブルなR&Bチューン。オリエンタルなムードを携えた変則ビートの上で、なめらかに展開する“ヘイ・ヘイ……”のコーラスが秀逸。
13GIVE IT TO ME WHILE IT'S HOT
火照る身体を解放させてと懇願する“メイク・ラヴ”ソング。オーガナイズド・ノイズのプロデュースによるタイトなビートを刻むミディアムR&Bで、時折入る“HOT”の掛け声とチリとT-ボズの抑えの効いた艶のあるヴォーカルが光る。
14GET AWAY
『3D』収録のボーナス・トラックは、オーガナイズド・ノイズによるプロデュース作品。ビートは効いているが、ギターとホーンが落ち着いたムードを添えるミディアムR&Bで、できる範囲のことを信念を持ってやればいいと、TLC流哲学を歌っている。