ガイドコメント
4ヵ月連続リリースの『Devilish Years』企画第3弾作品となる日欧同時発売特別アルバム。これまでのムックの音楽性をより広げたアグレッシヴでスケールの大きなサウンドが詰まった1枚となった。
収録曲
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02空虚な部屋
ヘヴィなギター・リフから始まる曲だが、歌が始まると突如空間を活かしたメロディアスな展開に。歌メロと間奏部分の振幅の差が激しく、中盤からはヴォーカルもうなり始める展開になる。そういう意味では、工夫を凝らした曲といえる。
03赤い空
のっけからヘヴィで時折変拍子も絡めたサウンドで始まるが、サビの部分ではヴィジュアル系風の様式美と呼べそうな歌メロが全開になるナンバー。後半のみで流れるコーラスには、ゴシック系の匂いも強く感じる。
04はりぼてのおとな
ややゆっくり目のテンポで、ギターもクリーンな音を刻み続ける。途中からエフェクトをかけたヴォーカルとともに、歪んだサウンドを聴かせる部分。ヘヴィなサウンドが苦手な人にも受け入れやすい曲。
05フォーティーシックス
アップ・テンポで激しい、混沌とした世界を描いているようなナンバー。ヴォーカル・スタイルやギター・サウンドが、80年代前半のジャパニーズ・パンクを彷彿とさせる。バンドの間口の広さを見せてくれる曲だ。
06神の星
ノイジーでからヘヴィなサウンドを聴かせるナンバー。テンポは早めだが、曲が進むにとブレイクを挟んで目まぐるしく変化させていく展開。リズム構成が実によく練られているため、混沌とした世界をうまく描き出している。
07春、風のふいた日
90年代以降のメロコア/パンク・バンド風のアップ・テンポのナンバー。しかし、曲のカラーはあくまでダークという、このバンドらしい世界観をしっかり出すことで、メロコア勢とはまったく違った作風に仕上がっている。
08夕紅
アップ・テンポで明るい感じの曲。ヴォーカル・ラインもとてもメロディアスで、勢いよくどこかへ飛び出したくなるような感覚にさせてくれる。歌のバックで使われているアコースティック・ギターのアレンジがユニークだ。
09遥か
曲のテンポは遅くはないが、空間を活かしたギターの音にマッチした、情感豊かなヴォーカルのメロディが美しいバラード・ナンバー。タイトル通り、はるか遠いところから愛する人を想うようすが浮かぶ、とても切ない曲。