ミニ・レビュー
意外なようだがこの8枚目にして初めて、タイトル通り彼らの純正100%のア・カペラ・アルバムが作られた。声のみでヴァリエーションを作らねばならない苦労が伺われるが、カヴァーの「Tiger Rag」などはかなり遊んでいて楽しい。
ガイドコメント
ゴスペラーズの通算8枚目のニュー・アルバムは、オール・ア・カペラによる渾身の1枚。彼らの十八番であるバラードからアップ・テンポのナンバーまで、ア・カペラの魅力がたっぷり詰まった傑作だ。
収録曲
01いろは
02RIDIN'HIGH
詞曲・アレンジを手掛けた村上てつやの世界観が垣間見れるファンキー・ビート・チューン。ア・カペラながら、クセのあるグルーヴ感を嫌味なく出せる力量は素晴らしい。ハイ・トーンで高みへ昇るクライマックスは圧巻。
03潮騒
黒沢薫作曲のメロウ・バラード。懐かしさ漂うセンチメンタルなメロディ・ライン、奥行きがあるコーラス・ワークと、彼らの王道を行く気品あふれる楽曲。ホロリとするような隠し味も、心憎いほど効いている。
04北極星
安岡優作詞の透明感と浸透力があふれるア・カペラ・ナンバー。天球へ馳せる想いを、ロマンティックに情熱的に歌い上げるラヴ・バラード・チューン。テレビ朝日系『土曜ワイド劇場』エンディング・テーマ。
05Moon glows (on you)
06I Miss You
村上てつやの切実感あふれるハイ・トーン・ヴォイスが炸裂する、ソウルフルなア・カペラ・ナンバー。甘美に熟した声という名の果実から芳醇な滴が織りなし、情感あふれる比類なきメロディを創り上げている。
07金色の翼
08FWFL
女性を挑発するようなエロティックな詞が刺激的なア・カペラ・チューン。じわじわとくるメロウでソウルフルなメロディ・ラインも官能的だが、ディープな深みにハマりすぎないのは、彼らの上質な歌唱ゆえ。
09Tiger Rag
10シエスタ
11めぐる想い
酒井雄二のクリアなハイ・トーンが響きわたる、彼らお得意のソフト・ソウル・ポップス。パステル・カラーのような色彩感あるメロディと豊かな四季を想わせるヴォーカルがマッチして、オシャレな楽曲となっている。
12星屑の街