ガイドコメント
アメリカン・ポップスへのオマージュに満ちた珠玉のメロディと甘く切ない歌詞が高次元で結実した、邦楽史上に燦然と輝く金字塔。「恋するカレン」「さらばシベリア鉄道」ほか、時代を超越した名曲がここにある。
収録曲
01君は天然色
邦楽史に輝く比類なきマスターピース『ロング・バケイション』の1曲目を飾ったナンバー。この一曲の中にポップス100年の歴史が築いた多様な黄金率がちりばめられている。まさにエヴァーグリーン。
02Velvet Motel
アコギのカッティングが心地良いドリーミーなナンバーだが、裏声を活かしたヴォーカルで綴られるのは恋人との冷え切った関係。女性コーラスとの掛け合いも無機質で、どこか冷めたものになっている。
03カナリア諸島にて
『ロング・バケイション』のジャケットを象徴するようなリゾート感満載のナンバー。松本隆の歌詞は、リゾート地を訪れた主人公の漂白感に焦点を当てており、華やかな風景と主人公のダウナーな心情を対比させている。
04Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語
オールディーズからの引用や造語を織り交ぜた歌詞は、大滝ワールドの真骨頂。アップ・テンポで遊び心に溢れたサウンドも、流麗なナンバーの並ぶ『ロング・バケイション』において、ひとつのアクセントになっている。
05我が心のピンボール
はっぴいえんど時代を彷彿とさせるワイルドな歌声と、爽快なファルセットが印象的なロック・ナンバー。『ロング・バケイション』の中では浮いた存在だが、初期大滝を推すファンの間では人気の高い1曲でもある。
06雨のウェンズデイ
アナログ盤ではB面のオープニングを飾ったナンバー。「我が心のピンボール」のワイルドなヴォーカルから一転、本来(?)のクルーナーへとシフト・チェンジして、海を訪れたカップルの心情を歌い上げている。
07スピーチ・バルーン
この曲の原型が生まれたのは1968年。大滝初のオリジナル曲だというから驚きだ。その後、松本隆の歌詞が付けられて正式にリリース。2005年にはソニー「ハンディカム」のCM曲としてもオンエアされた。
08恋するカレン
歴史的名盤『ロング・バケイション』に収録されたナンバーで、アルバムの中で特に人気の高い名曲。16分音符でかき鳴らすイントロのアコースティック・ギターが有名。失恋をテーマにした松本隆の切ない歌詞も絶品。
09FUN×4
ビーチ・ボーイズのヒット曲「FUN FUN FUN」のフレーズを用いたアッパー・チューン。ハンド・クラップやコーラス・アレンジなど、アメリカン・ポップス的なサウンド・メイクが随所に施されている。
10さらばシベリア鉄道
邦楽史に輝く究極のエヴァーグリーン『ロング・バケイション』のラストを飾った曲で、大滝詠一師匠以外では太田裕美の名唱が有名。松本隆による、ノヴェルティものでありながら味わい深い歌詞も印象的。
11君は天然色
12Velvet Motel
13カナリア諸島にて
14Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語
15我が心のピンボール
16雨のウェンズデイ
17スピーチ・バルーン
18恋するカレン
19FUN×4