ミニ・レビュー
ココロのなかのせめぎ合いや、ぶっちゃけ引いちゃうような本音を、ちまちま大事にしているのがよくわかるから、それがおかしいセカンド・アルバム。唄いたい歌も語りたい思いも、あくまでも中庸に表現することで満たされようとしている彼に、同族意識を抱いてしまった。
ガイドコメント
シングル「ウグイス」「セイコウトウテイ」を含む2ndアルバム。目の裏に情景が浮かぶような、淡く切ないトーンが特徴のスネオヘアーの曲は、タイトル通りまるで水彩画のようだ。
ガイドコメント
シングル「ウグイス」「セイコウトウテイ」を含む2ndアルバム。目の裏に情景が浮かぶような、淡く切ないトーンが特徴のスネオヘアーの楽曲は、タイトル通りまるで“水彩画”のようだ。
収録曲
01のびたテープ
パーカッシヴなリズムとカラフルなサウンドが、自然と耳になじむナチュラルな出来栄え。そのなめらかなサウンドと歌が調和し、やりきれない気持ちを前向きな気持ちへと心地良く後押ししてくれるナンバー。
02ピント
ユーモラスなギター・リフと厚みのあるサウンドを活かしたキャッチーなロック・チューン。「忙しい日々に流されず前向きにいこうという」メッセージとすがすがしいギター・サウンドが、そっと背中を押してくれる。
03ウグイス (album mix version)
イントロでのエンジン音が印象的なポップ・チューン。凝ったサウンドに滑らかな歌メロや透き通るハーモニーなど、極上の技が冴えわたる。多用される「ウグイス」というフレーズが鮮やかな春の景色や爽快感、期待感などを浮かび上がらせている。
04DRIVE
ホーンやギターなどの精錬された構成がすばらしく、雨あがりの新緑のように生き生きとした雰囲気を漂わせる、ソウル風のポップ・チューン。エンディングでの「ゴー・ストレート!」というフレーズが、全体をクールに引きしめる。
05ニュータウンへ続く道
ギターの穏やかな音色と爽やかなコーラスに強弱のバランスが絶妙な演奏など、素朴な中に巧さを秘めたバラード。回想と平凡な街並みの景色が混沌となった歌世界は、まるで人生を一本道にたとえたような趣深さがある。
06打ち上げ花火
恋人と一緒に花火を見に行った思い出をムードたっぷりに描くバラード。時計の針のように刻まれるドラムや緻密なギター、コーラスなどが、立体的なサウンドとして効果的に構成されている。
07セイコウトウテイ
初夏にリリースされたシングル曲で、爽やかなアレンジが光る。とはいえ、歌詞の物語はちょっぴり切ない青春モード全開の一曲。気圧配置をタイトルに据えただけに、「雲」や「空」といったフレーズが印象的に響く。
08アオイソラ
幼少の頃に見た空の記憶を、日常へと繋げて歌うバラード。ゆるやかなオーケストラが歌のスケール感を絶妙に表現。挿入されるノイジーなギターや打ち込みなどの巧みなアレンジも、趣深さを助長している。
09スピード
哀愁漂うストリングスや女性コーラスとダンサブルな打ち込みが、鮮やかな色あいを生み出し、聴き手を包み込んでいくバラード。日常の風景をゆるやかに描きながらも、時間は止まらずに流れている“スピード”を歌う。
10終りね
カフェの一時、午後の木漏れ日、真昼の公園などに似合いそうなバラード。アコギとカスタネットによる簡素なアンサンブルと優しいハーモニーなどが楽曲を彩る。リラックスした歌い方は夏の日々を回想しているようだ。
11
「ウグイス」の別ヴァージョン。テンポを落とし、ゆるやかな音色のギターで弾き語る構成。途中には打ち込みやノイジーなギター・リフも挿入される。景色が移り変わるようなイメージの原曲とは違い、幻想的な風景が淡々と浮かび上がるかのような面持ちだ。