ミニ・レビュー
何と力強く幅広い感情表現だろう。ヘンデルの主人公はみな激しく赤裸々に心情を吐露する。役柄に没入する鬼気迫る演唱にもかかわらずコジェナーは鋭敏な感覚で喉をコントロールし澄み切った美声を損なうことがない。傑出したメゾの至芸に舌鼓を打つ逸品。★
ガイドコメント
コジェナー初のヘンデル・アルバム。バックはオリジナル楽器のマルコン、ヴェニス・バロックo.。イタリア勢のアグレッシヴなバックを受けて、コジェナーは役に入り込み、幅広い表現力を全開させている。
収録曲
ヘンデル:
01歌劇「アルチーナ」HWV34〜ああ、我が心よ!お前は踏みにじられた!
02オラトリオ「ヘラクレス」HWV60〜どこへ逃げたらよいの?
03歌劇「アグリッピーナ」HWV6〜ああ、不安が迫り来る
04歌劇「エジプトのジューリオ・チェーザレ」HWV17〜希望がこの心を照らしつつある
05オラトリオ「ヨシュア」HWV64〜ああ!もし私にジュパルの竪琴か
06歌劇「アリオダンテ」HWV33〜不貞の女め、情夫の胸に戯れるがいい
07オラトリオ「テオドーラ」HWV68〜眩しき太陽よ!-私の苦しみの如き深き闇で
08歌劇「ガウラのアマディージ」HWV11〜苛烈なる地獄より呼び出さん
09歌劇「オルランド」HWV31〜ああ、地獄の妖怪め!-冥府の番犬ケルベロスが-美しい瞳よ、どうか泣かないでおくれ
10歌劇「アリオダンテ」HWV33〜暗く不幸な夜のあとには
11歌劇「リナルド」HWV7〜私を泣くがままにさせて
演奏
マグダレナ・コジェナー(MS) アンドレーア・マルコン指揮 ヴェニス・バロック・オーケストラ