ガイドコメント
ジャズ、ロック、ファンクなどの要素を昇華させ、さらに完成度にこだわった77年の傑作。ロジャー・ニコルズは、このアルバムでグラミー賞のベスト・エンジニアリング部門を受賞した。
収録曲
01BLACK COW
絶妙なタメのバック・ビートが心地良い良質ファンク・ナンバー。バンド・アンサンブルにスムーズに絡むホーンやジャズ的に洗練されたコード感が味わいどころ。1組の男女を巡る難解な歌詞には皮肉が込められているそう。
02AJA
一大交響曲のような緩急ある展開を見せるラテン風味のコンテンポラリー・ナンバー。スティーヴ・ガッドの炸裂ドラムに耳を奪われがちだが、複雑かつ完璧に練り上げられたアンサンブルと曲構成が最大の魅力といえる。
03DEACON BLUES
華麗なコーラスを配しての耳なじみの良いサビ・フレーズや白玉系のソフトなホーンが映えるアダルト・コンテンポラリー・ナンバー。ラリー・カールトンとリー・リトナーという2人の大物ギタリストが参加している。
04PEG
ドラムとベースが織りなすタイトな8ビートが高い評価を得ているポップなAORナンバー。サビ部分での歯切れの良いドナルド・フェイゲンのヴォーカルと、マイケル・マクドナルドらによる艶やかなコーラスの見事な絡み合いも聴きどころだ。
05HOME AT LAST
“安らぎの家”というよりは“家の安らぎ”をテーマにしたリズム&ブルース・ナンバー。完璧なまでに美しいサビ・コーラスのほか、終盤ではウォルター・ベッカー自身による歌心に満ちたギター・ソロをたっぷり堪能できる。
06I GOT THE NEWS
リズミカルなピアノ・フレーズが特徴的なファンク・ポップ・チューン。同じフレーズを繰り返しているようでいて、楽器の組み合わせやフレーズそのものが変化していく緻密な1曲。歌詞はセクシャルなことを述べているようだ。
07JOSIE
粋なカッティング・ギターが繰り返されるAメロから、キャッチーなフックへの吸い込まれるような展開が魅力のファンク・ポップ・チューン。イントロと終盤の怪しげなフレーズが楽曲全体を引き締めるスパイスとなっている。