ガイドコメント
中村一義率いる6人組ロック・バンド、100sの2ndアルバム。シンプルなロックを軸とした楽曲が多く、メリハリのある仕上がりに。中村が全作詞・作曲を担当しており、秀逸なポップ・ソングの数々を提示。相変わらずの天才ぶりだ。
収録曲
[Disc 1]
01そうさ世界は
朝の目覚ましのごとき中村一義のハイトーン・ヴォイスで始まる、アルバム『ALL!!!!!!』のオープナー。100sの専売特許であるジャキジャキのギター・ロックに乗せて、“今日”への想いを唄う。“Do The バカ To The World”のフレーズに愛があふれる。
02希望
小気味よく弾むリズム隊とカラフルなキーボードやギターが、ドラマティックなフレーズを奏でる強力なポップ・チューン。中村一義の英語訛り(?)風のヴォーカルが、希望に向かって生きることを軽やかに描いている。
03まんまる
まんまる、それは何かのメッセージ。盆踊りの輪、大きな満月、空に咲く花火。耳を澄ませば、空を見上げれば、笑顔がこぼれてきそう。「ま、入んな!」の声にギターも弾む、100s流の最高にハッピーなサマー・アンセム。
04なぁ、未来。
4thシングル「ももとせ」にライヴ・ヴァージョンで収録されていたナンバーをオリジナル・レコーディング。あえて涙を“塩水(えんすい)”と呼ぶ現代の前衛詩人・中村一義の言葉が、尖ったギターの音色とともに突き刺さる。
05Q&A
歌詞、メロディともに中村一義の奇才ぶりが炸裂するロック・ナンバー。負けなきゃ、弱さも強さももわかんねぇ。切なさ極まるサビのメロディに涙。70年代テイストのミュートを効かせた秀逸なサウンド・ワークも聴きどころだ。
06シンガロング
“あの星座の果てで眠る君”へ向けたミッド・テンポのギター・レクイエム。フェスティヴァル会場でオーディエンスが声を合わせて歌う様子が目に浮かんでくる。高音、高温、こう、オン。中村一義ならではの言葉変化に目からウロコ。
07あの荒野に花束を
アルバム『ALL!!!!!!』の中核を担う一曲。柔らかなピアノのイントロで幕を開けたマーチが、中盤で壮大なバラードに昇華していくさまは圧巻だ。ツワモノ・ミュージシャンの集合体である100sの実力が、最大限に発揮されたナンバー。
08つたえるよ
僕らは風だよ。軽やかなフレーズで始まる、キャッチーなギター・ポップ。中村一義らしい飛び跳ねるようなメロディ、歪んだギター、キラキラしたキーボードのアンサンブルがバッチリきまり、100sならではのナンバーに仕上がっている。
09蘇州夜曲
1940年に発表された李香蘭主演の映画『支那の夜』の挿入歌で、渡辺はま子の歌唱で大ヒットしたナンバーを、ワンコーラスのみカヴァー。哀愁漂うエレクトリック・ギター1本をバックに歌う、中村のしっとりとしたファルセット・ヴォイスがハマっている。
10ももとせ
別れの季節を越え、前向きな旅立ちにために背中をそっと押す。そんな応援ソングともいえる春の歌。エモーショナルな中村一義のハイトーン・ヴォイスに、美しい3連のピアノとバンド・サウンドが絡むロック・チューン。
11もしこのまま
このままいたいから、僕らはまた別れ、もう一度、出逢うんだよ。まっすぐな言葉やメロディが、心に痛いミッド・バラード。ざっくりしたアコースティック・ギターの音色とたおやかなストリングスが、しみじみとさせる。
[Disc 2]〈DVD〉
01そうさ世界は
02希望
03まんまる
04なぁ、未来。
05Q&A
06シンガロング
07あの荒野に花束を
08つたえるよ
09ももとせ
10もしこのまま