ミニ・レビュー
これまでの歌メロを生かしたバンド・サウンド的なアレンジから、楽曲自体のクオリティを最優先させる細部まで手の込んだアレンジによる作品へと昇華したミスチルの意欲作。聡明な歌メロは当然のこと、聴き手の興味のツボを抑えたアレンジには頭が下がる。
ガイドコメント
大ヒットを記録し日本の音楽史を塗り替えた、94年発表の4thアルバム。歌メロを生かしたバンド・サウンド的アレンジから、楽曲自体のクオリティを優先させる手の込んだアレンジへと変化したサウンドが印象的。
収録曲
01Printing
02Dance Dance Dance
ミスチル大ブレイクを告げたメガ・ヒット・アルバム『アトミック・ハート』の1曲目を飾ったホットなロック・チューンで、いい意味で古くからのファンの期待を裏切った衝撃的なナンバー。
03ラヴ コネクション
04Innocent World
94年のレコード大賞で大賞を受賞し、ミスチルが大ブレイクするきっかけとなった。“これぞ理想のポップス”と言えるような、鳥肌ものの爽快なメロディ。歌詞も深く、まさにイノセントな輝きを放っている。
05クラスメイト
昔のクラスメイトと再会し、惨めな恋に落ちてしまう男を描いたラヴ・ソング。曲全体を柔らかなホーン・セクションが包む、プリAOR的なアレンジが切なさを倍増させる仕組み。なんだかバブリーな情景が懐かしい。
06Cross Road
ミスチルの出世作。どこか懐かしさを感じさせるアナログ的サウンドが、90年代初頭の邦楽シーンの空白にスッポリとはまった。ポップ・ソングでありながら、簡単に聴き流せない歌詞の情報量の多さは彼らならでは。
07ジェラシー
08Asia (エイジア)
09Rain
10雨のち晴れ
根強い人気を誇るナンバーで、多くの新社会人を励ました独身男への人生応援歌。「新人のマリちゃんに言い寄ってもまるで手応えがない〜」など、今のミスチルからは想像もできない、軟派な歌詞が素敵。
11Round About〜孤独の肖像〜
12Over
90年代を代表する空前の大ヒット・アルバムとなった『アトミック・ハート』の最後を飾った切ない名曲。「風邪がうつるといけないからキスはしないでおこう〜」の名フレーズを実際に使った人も多いとか?