ミニ・レビュー
大人気のLAのシンガーの3枚目のアルバム。これまでと方向性を変え、さまざまなスタッフを迎えて制作された意欲作だ。たとえばハービー・ハンコックとの共演。もちろん優しい歌声は不変だが、意外なプロデューサーも参加するなど、新たな模索が頼もしい。
ガイドコメント
大ヒットした前作から3年ぶりとなる作品で、3枚目にしてキャリア最高傑作といえる1枚。心の重荷を解きほぐす名曲「ドント・ギヴ・アップ〜愛されている君へ」など、天性のハート・ウォーミング・ヴォイスが味わえる。
収録曲
01MAI
LA出身のシンガーの3rdアルバム『アウェイク』のオープニング・ナンバー。さまざまなスタッフを迎えた話題の冒険作だが、これはマリウス・デ・ヴリーズをプロデューサーに迎えたロンドン録音。優しく包容力のあるヴォーカルが素晴らしい。
02YOU ARE LOVED (DON'T GIVE UP)
3rdアルバム『アウェイク』からの1stシングル。前作までにはみられない力強く自信に満ちあふれたヴォーカルが印象的なメッセージ・ソングだ。ジョシュが演奏に加わっているのも魅力で、ここではドラムを叩いている。
03UN DIA LLEGARA
『アウェイク』は、デヴィッド・フォスターからの巣立ちを目指したアルバムということもあり出番が少ないが、これは彼のプロデュース。ヴォーカルの美しさを最大限に生かした、クラシカルなポップ・ナンバーに仕上げている。
04FEBRUARY SONG
マリウス・デ・ヴリースのプロデュースによるロンドン録音。相性のいいマリウスとジョシュが作曲を手がけている。とてもたおやかな曲で、それにふさわしい清純な歌声に何とも心が洗われる。ここでジョシュは美しいピアノも披露している。
05L'ULTIMA NOTTE
デヴィッド・フォスターのプロデュースによるクラシカルなポップ・ソング。透明感のある繊細なヴォーカルで恋人との別れが迫る最後の夜を歌っているが、その悲しさがしみじみと表現されている。ジョシュの歌の妙味が感じられる。
06SO SHE DANCES
ロンドンで録音された、マリウス・デ・ヴリースのプロデュース作。オルゴールのような音色で始まるロマンティックでポップなバラード。最後のさり気ないハミングにも、ついつい聴き入ってしまう。
07IN HER EYES
壮大なオーケストラをバックにしたスケールの大きなミディアム・ナンバー。切々と時にダイナミックに歌い上げる様子が、実に感動的だ。デヴィッド・フォスターのプロデュースで、ジョシュがドラムを演奏している。
08SOLO POR TI
ハープをフィーチャーした敬虔なムードを持つバラード。アルバム『アウェイク』のなかでも、特に美しさの中にも力強さを秘めたヴォーカルを聴かせる、シンガーとしての内面的な成長が感じられるナンバーだ。ピアノも自身が演奏している。
09NOW OR NEVER
イギリスの女性シンガー・ソングライター、イモージェン・ヒープが、すべての演奏とプロデュースを手がけたナンバー。淡々としているが、イモージェン独自のサウンドと裏声も聴かせるメリハリのあるヴォーカルの組み合わせが、実に興味深い。
10UN GIORNO PER NOI (ROMEO E GIULIETTA)
ニーノ・ロータが作曲した映画音楽。オーケストラ、チェロと続くしめやかなイントロに導かれてヴォーカルが聴こえると、もうそこはジョシュの独壇場。元の曲がどうこうということを忘れさせるほどに自分のものにしていて、とにかく美しい。
11LULLABY
デイヴ・マシューズが曲作りに参加した、穏やかなナンバー。アフリカのヴォーカル・グループ、レディスミス・ブラック・マンバーゾとの絶妙な掛け合いが聴きもの。またジョシュがプロデュースに参加するなど、話題の多い曲だ。
12WEEPING
アルバム『アウェイク』の「ララバイ」と切れ目なく続く、「ララバイ」同様レディスミス・ブラック・マンバーゾの参加曲。リズミックで明るくややエスニックな香りがするポップスで、新たな挑戦に満足しているのか、軽やかで気持ち良く歌っている。
13MACHINE
アルバム『アウェイク』のなかでも白眉となる、ハービー・ハンコックとの共演曲。ほかにも錚々たるジャズ・ミュージシャンが参加しているが、これほどのリズミカルな曲も珍しい。ヴォーカルもパワフルで、新しい魅力を発揮している。
14AWAKE
アルバム・タイトル曲となる、日本盤ボーナス・トラック。ディープ・フォレストのエリック・ムーケが、プロデュースなどで全面的に協力。清らかなヴォーカルには、ジョシュのさまざまな気持ちが込められているよう。胸が締め付けられる曲だ。
仕様
CDエクストラ内容:ドント・ギヴ・アップ〜愛されている君へ (ビデオ・クリップ)