ミニ・レビュー
近代の名だたるピアノ弾きたちを触発し駆り立てるバッハの音の動き。これら多様な編作の中に込められた“血”の騒ぎに、菊地は熱くシンクロする。スタンスは徹底ピアニスティック。「6声のリチェルカーレ」を含め、バッハをではなく、バッハで快感するのだ。
ガイドコメント
鍵盤楽器用以外の作品からの編曲集となる、菊地裕介の2枚目のアルバム。「無伴奏ヴァイオリンのパルティータ」全曲では菊池自身の編曲にブゾーニ版のシャコンヌを組み合わせたりと、意欲に満ちた取り組みをしている。
収録曲
J.S.バッハ:
01無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番変ホ長調BWV1006〜プレリュード/ガヴォット/ジーグ (ラフマニノフ編)
02カンタータBWV147〜主よ、人の望みの喜びよ (ヘス編)
03無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番ニ短調BWV1004 (菊地裕介、ブゾーニ編)
04シチリアーノBWV1031 (ケンプ編)
05「音楽の捧げもの」BWV1079〜6声のリチェルカーレ
リスト:
06B-A-C-Hの主題による幻想曲とフーガ