ミニ・レビュー
カンタータや受難曲から素材を集めた、ちょっと変わったバッハ・オムニバス。編成するのにずいぶんと時間がかかったのだろうと予想されるが、豪華メンバーによる演奏内容はまったく文句の付けようがない。特にハーンの独奏はあきれるほどうまい。
ガイドコメント
バッハがアリアやデュエットに付けたヴァイオリン・オブリガートに焦点を当てた、興味深いアルバム。ハーンがシェーファーとゲルネという当代一流の歌手とともに、一味違ったバッハの世界を表出している。
収録曲
J.S.バッハ:
01マタイ受難曲BWV244〜第51曲アリア「私のイエスを返してくれ!」
02カンタータ第140番「目覚めよ、とわれらに声が呼びかける」BWV140〜第3曲二重唱「いつ来てくださるのですか、私の救いよ」
03カンタータ第204番「私は自分の中で満ち足りている」BWV204〜第4曲アリア「広い大地の宝よ」
04カンタータ第32番「慕わしいイエス、私の願いよ」BWV32〜第3曲アリア「ここ、父の住み家に」
05カンタータ第205番「破れ、砕け、こぼて墓穴を」BWV205〜第9曲アリア「心地よい西風よ」
06ミサ曲ロ短調BWV232〜「私たちはあなたを讃美します」
07カンタータ第157番「あなたを離しません、祝福してくださらなければ」BWV157〜第4曲 アリア「そうだとも、私はイエスに固くすがる」
08カンタータ第59番「私を愛する人は、私の言葉を守るだろう」BWV59〜第4曲アリア「すべての王国をもつ世も」
09カンタータ第58番「ああ神よ、いかに多き胸の悩み」BWV58〜第3曲アリア「私は苦難の中でも満ち足りている」
10カンタータ第117番「讃美と栄光がいと高き宝にあるように」BWV117〜第6曲アリア「慰めと助けは、いつかは必ず欠ける」
11カンタータ第158番「平安がお前にあるように」BWV158〜第2曲アリアとコラール「世よさらば、私はお前に疲れた」
12マタイ受難曲BWV244〜第39曲アリア「憐れんでください」 (メンデルスゾーンによるソプラノ稿)
演奏
ヒラリー・ハーン(VN) クリスティーネ・シェーファー(S) マティアス・ゲルネ(BR) アレクサンダー・リープライヒ指揮 ミュンヘン室内管弦楽団 北谷直樹(HC,OG) ロザリオ・コンテ(テオルボ) クリスティン・フォン・デル・ゴルツ(VC) (7)ヘンリク・ヴィーズ(FT)