ミニ・レビュー
トリオ編成R&Rバンドのファースト・フル・アルバム。演奏も丁寧だし、アレンジもよく練り込まれていて、音楽的な完成度は高い。ニューミュージックからJ−ラップまで幅広い音楽の影響を受け入れていることがよくわかる、潔くも柔軟なサウンド作りに拍手。★
ガイドコメント
2007年7月発表の初フル・アルバム。レゲエ、ロック、フォークなどのエッセンスを取り入れつつ彼ららしいキャッチーさを前面に出したポップなサウンドが魅力。シングでは収まらない幅の広い音楽性を感じさせる。
収録曲
01SUPABADD
1stアルバム『Be A MAN』のオープニング曲。ベーシストである亀田誠治のプロデュースによって、林由恭のランニング・ベースがきわだち、音抜けのよさは随一。もちろん大渡亮のハードなギターも存分に出ている、爆走チューンだ。
02Here we go!
ギター炸裂の疾走感あふれるハード・ロック・ナンバー。だが、ヴォーカルは結構ポップで、メロディ・ラインを活かしつつ、一度きりの人生なのだから前向きに生きようと明るく呼びかけている。
03踊ろよハニー
大渡のギター・カッティングがグルーヴを引っ張る、ミドル・テンポのダンス・チューン。オルガン、ファルセットのコーラス、ワウ・ギターなど黄金期のダンス・クラシックスに通じる音作りで、ミラーボールが目に浮かぶよう。
04Be a man
ジャック・ジョンソンやメイソン・ジェニングの流れを持った、サーフ・ロック・ミュージック。アコースティック・ギターと2つの音色のギターをミックスした、大渡亮のサウンド・センスが発揮されたナンバー。
05遊びに行こうよ
大渡亮のサウンド・センスが爆発したメロディアスなポップ・チューン。1番と2番での異なったリズム・アレンジや、何本も重ねられたギターで独特の雰囲気を醸し出すサウンド展開など、随所に工夫が施されている。
06Flying high
シンプルなロック・ナンバー。要所で細かなフィルを入れてくる林由恭のベースと林久悦のメリハリのあるドラムが、ミサイルイノベーション独特のサウンドへ昇華させている。林兄弟の、双子ならではのコンビネーションの良さが感じられる。
07777
スライドや歪んだブルース・ハープの音色が印象的なミディアム・ナンバー。センスの良い絢爛豪華なギター・サウンドに、“777”というタイトルでわかるように、パチンコを題材とした庶民的な歌詞が流れるというギャップがユニーク。
08Fit
70年代後期のロックやパンクなどの雰囲気を持った、パンキッシュなナンバー。短いながらも、間奏部ではフィーチャーされるベース・ソロや、その後に出てくるギター・ソロなど、各プレイヤーの高い演奏力は十分に堪能できる作品だ。
09ヒトリゴト
ハードなギター・サウンドをバックにたたえながらも、叙情的で壮大な雰囲気を持ったバラード。ぶっきらぼうではあるが、言葉をひとつひとつ選んで歌うヴォーカルが印象的だ。アルバム『BE A MAN』のハイライトともいえるナンバー。
10ジューシーな日々
アルバム『BE A MAN』のクロージング・ナンバーは、ルーツ音楽的なレゲエにオーヴァードライヴ・ギターをミックスしたミサイルイノベーション流レゲエ。2人で一緒に人生を歩もうというポジティヴな詞がポップなサウンドとあいまって、楽しさ満点にアルバムを締めくくる。