ミニ・レビュー
20歳になった米女性シンガーの3年ぶりのアルバム。R&Bベースの曲調は変わらないが、年齢にふさわしく華やかで元気いっぱいだった前作に比べ、すっかり大人ぽくなったヴォーカルに驚かされるだろう。素敵なメロディを自然体でゆったりと歌っている。
ガイドコメント
2006年8月リリースの3rdアルバム。鮮やかなアコースティック・ギターが印象的なR&Bナンバー「アイム・ノット・ミッシング・ユー」をはじめ、彼女の高い歌唱力を生かしたナンバーが満載。20歳にして大御所のような貫禄さえ感じさせる。
収録曲
01SO SIMPLE
普通の生活をしていたという時期を経て約3年ぶりにリリースされたアルバム『ビューティフル・アウェイクニング』のオープニング・ナンバー。R&Bを基調としたサウンドは不変だが、前作と比べて歌が実に大人っぽく、グッとアーティスティックになった印象を受ける。
02I'M NOT MISSING YOU
ケイ・ジーらがプロデュースしたシングル曲。恋の悲しみを歌った本作の切なさをよく伝えるのに効果的な、歌い出しのハミングがとてもナチュラル。実体験に基づいたものなのかと気になるほど、格段に向上した表現力が素晴らしい。
03DREAM YOU
「夢にまで見たあなたが必要なの」と歌うラブ・ソング。ちょっぴりコミカルなイントロや歌詞にぴったりと合った美しいコーラスなど、ユニークで聴きどころの多い作品だ。ナチュラルなヴォーカルも楽曲にとてもよく映えていて心地良い。
04EASY TO LUV YOU
新人ラッパーのノヴェルがプロデュース、コーラスなどで全面協力した、ゆったりとした美しさを持つラブ・ソング。シンプルなサウンドの上をすべっていく堂々としたヴォーカルは、小細工なしでも感動を伝えることができるようになった証といえる。
05SAVE ME
イントロでのハミングが耳に残る、印象的なナンバー。バック・サウンドもじつにシンプルで、ヴォーカルとコーラスがダイレクトに聴き手の心に染みてくる。メロディの良さが多い彼女の曲のなかでも、特にその良さが際立っている作品だ。
06TAKE ME AWAY
リズミカルながらも華やかさをたたえているソウルフルなナンバー。しっとりとした落ち着きをみせながらも、的確にコントロールされたヴォーカル・ワークからは、シンガーとしてだけではなく、人間的な成長をも感じさせる彼女が垣間見られるようで興味深い。
07BABYGIRL
シングル・マザーのことをテーマにしたシリアスなナンバー。「強くなろうよ。きっとうまくいくから」などのメッセージ性の強い歌詞を、包容力のあるヴォーカルで披露している。なんともたくましくなった彼女の魅力が存分に堪能できる。
08WAIT
目を見張るような伸びやかなヴォーカルが特徴のラブ・ソング。ファルセットを駆使しながら、恋する人の微妙な心理を細やかに表現しているソウルフルなナンバーで、セクシーな女性を前面に押し出した、彼女の成長がうかがえる作品だ。
09IS IT ME
アンソニー・デントのプロデュースによる、ヒップホップ的な要素を採り入れたソウルフルなナンバー。リラックス度の高い自然体のリード・ヴォーカルとコーラスの絡み具合が非常に心地よく、しかも味わい深いものとなっている。
10DON'T ASK ME TO STAY
アルバム『ビューティフル・アウェイクニング』で多くの曲作りに参加したステイシーだが、本作もそのひとつ。淡々としているようで情熱を秘めたヴォーカル、流麗なメロディ、無駄のないサウンド作りなど、等身大の彼女が感じ取れるナンバーだ。
11I CAN'T GIVE IT UP
今までにはないセクシャルな歌詞に驚かされる。当然ヴォーカルもセクシーだが、背伸びして挑戦、話題性を狙った、という感じはなく、あくまで自然体の彼女として披露している。アルバム『ビューティフル・アウェイクニング』で彼女の成長をもっとも感じさせる曲の1つ。
12BEAUTIFUL AWAKENING
アルバム『ビューティフル・アウェイクニング』本編ラストを飾る、ポップなタイトル・チューン。控えめだがギターやオルガンなどが効果的にフィーチャーされたワルツで、目標を達成することができた満足感に満ちた穏やかな歌唱が印象的だ。
13FRUSTRATED
アルバム『ビューティフル・アウェイクニング』収録のボーナス・トラック。ヒップホップの要素とポップを融合させたリズミックなナンバーで、クールなヴォーカルがアダルトなムードをよりいっそう強めている。ノヴェルによるプロデュース。
14BRUSH 'EM OFF
プロデュース兼ラッパーとしてこの楽曲に参加したノヴェルによるヒップホップ・テイストのクールなナンバー。抜群の相性を感じさせるような、堂々としたステイシーの歌いっぷりが耳に残る。アルバム『ビューティフル・アウェイクニング』収録のボーナス・トラック。