ミニ・レビュー
両者の重厚になりすぎないように、余計な表情を付けないように、可能な限り楽譜に忠実でありたいという思いが強く伝わってくる。音色もお互いに非常に清潔であり、ヴァイオリンの方はヴィブラートをかなり控えている。このようなスタイルならば第6番までがたいへんに素晴らしいのは予想できるが、第10番の流麗さも忘れがたい。第7番もきりりと引き締まっていて好感。「クロイツェル」も小味な名演である。なお、4枚目のディスクはCD、DVDの両面再生なので、取り扱いには少々注意が必要である。
収録曲
ベートーヴェン:
[Disc 1]
01ソナタ第1番ニ長調op.12-1
02ソナタ第2番イ長調op.12-2
03ソナタ第3番変ホ長調op.12-3
[Disc 2]
01ソナタ第4番イ短調op.23
02ソナタ第5番ヘ長調op.24「春」
03ソナタ第10番ト長調op.96
[Disc 3]
01ソナタ第6番イ長調op.30-1
02ソナタ第7番ハ短調op.30-2
03ソナタ第8番ト長調op.30-3
[Disc 4]〈CD〉
01ソナタ第9番イ長調op.47「クロイツェル」
01ソナタ第10番〜第1楽章 演奏風景 (メイキング映像)
演奏
イザベル・ファウスト(VN) アレクサンドル・メルニコフ(P)
録音
[1] 2008.6 [2] 2008.9 [3] 2008.7 [4] 2006.5