ミニ・レビュー
作品解釈にも多くの選択肢があるが、その一つは、あまりこね回さず率直に譜面を音にすることだろう。もちろんそれは熟考・試行の結果としてだが、菊地の演奏にはそうしたある種の潔さがあり、大いに共感できる。続編が楽しみなソナタ全集のスタート。
ガイドコメント
期待のピアニスト・菊地裕介の3枚目にして、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の第1弾である。“ベートーヴェンが作曲した同年代の感性で弾きたかった”と自身が語るとおり、今しか弾けないベートーヴェンを表現している。
収録曲
ベートーヴェン:
[Disc 1]
01ピアノ・ソナタ第16番ト長調op.31-1
02ピアノ・ソナタ第17番ニ短調op.31-2「テンペスト」
03ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調op.31-3「狩り」
04ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調op.54
[Disc 2]
01ピアノ・ソナタ第21番ハ長調op.53「ワルトシュタイン」
02ピアノ・ソナタ第23番ヘ短調op.57「熱情」
03ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調op.78「テレーゼ」
04ピアノ・ソナタ第25番ト長調op.79「かっこう」
05ピアノ・ソナタ第26番変ホ長調op.81a「告別」