ミニ・レビュー
今では“伝説的な”トリオ演奏だ。デュ・プレもバレンボイムもズーカンマンも20代で若い。しかし技術的な精度はもとより緊迫感に満ちたアンサンブルの凄まじさ、何より伯仲した表現力は聴くものを釘付けにする。圧巻の第3番は言うまでもないが、珍しい「カカドゥ変奏曲」など屈指の名演として推せる。
ガイドコメント
バレンボイム、ズーカーマン、デュ・プレによるベートーヴェンのピアノ三重奏曲第3番(1969・70年録音)。当時20代、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いにあった3人による意欲あふれる演奏。セッション録音であることを忘れさせるような即興性もスリリング。
収録曲
ベートーヴェン:
01ピアノ三重奏曲第3番ハ短調op.1-3
02アレグレット変ロ長調WoO.39 (遺作)
03ミュラーの「私は仕立屋のカカドゥ」による10の変奏曲op.121a (カカドゥ変奏曲)
04クラリネット三重奏曲変ロ長調op.11「街の歌」
演奏
ダニエル・バレンボイム(P) ジャクリーヌ・デュ・プレ(VC) (1)〜(3)ピンカス・ズーカーマン(VN) (4)ジェルヴァーズ・ド・ペイエ(CL)