ミニ・レビュー
二つの楽器が鮮やかな対比を示しながら綾なす第7番が秀逸な出来映え。鋭い音色にもかかわらず優美さを失わない庄司のヴァイオリン、雄弁さを幾分控えたカシオーリのピアノ、ともに見事である。構成感の際立つ第4番も優れているが、古典的な均整のなかに熱気漂う作品12における鮮烈な個性の煌めきがえも言われない。★
ガイドコメント
庄司紗矢香とカシオーリによるベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全集の第2弾。第1、3、4番と最初期の作品をまとめている。お互いの響きを際立たせる息ぴったりの演奏で、若きベートーヴェンの爽やかな息吹を再現する。
収録曲
ベートーヴェン:
01ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ長調op.12-1
02ヴァイオリン・ソナタ第3番変ホ長調op.12-3
03ヴァイオリン・ソナタ第4番イ短調op.23