ガイドコメント
チャットモンチーの2011年までの足跡を振り返るベスト盤。2011年9月に脱退したドラムの高橋久美子在籍時の全シングル&アルバムリード曲を収録。フジテレビ系アニメ『働きマン』エンディング曲「シャングリラ」ほか、3人体制での人気曲を凝縮。
収録曲
[Disc 1]
01ハナノユメ
メジャー・デビュー・ミニ・アルバム『chatmonchy has come』収録のポップ・ナンバー。シンプルなサウンドながら、色彩感覚豊かな高橋の詞、ふくらみのある橋本のヴォーカルとメロディ・センスがしっかりと発揮されている。
02恋の煙
イントロの緊張感のあるギターのカッティングが耳に残るデビュー・シングル。“当たりくじだけのくじ引きがしたい”など、ユニークな譜割りのメロディと歌詞が独特な浮遊感を与えてくれる。少しつたなさを感じさせる演奏も愛嬌たっぷり。
03恋愛スピリッツ
胸が詰まるような橋本のア・カペラではじまる2ndシングル。“あの人がいないから、あなたは私を手放せない”という繊細な恋愛模様をゆったりとしたテンポで切々と歌い上げるミディアム・バラードだ。ダイナミクスに富んだアレンジが秀逸。
04東京ハチミツオーケストラ
ジャカジャーンという開放感のあるギターのストロークが心地よくも力強いロック・ナンバー。働きバチが行列をなす“ハチの巣みたいな東京”を舞台に、甘い夢を見ている私はやわらかな幼虫だ、と東京に出てきた自分たちの想いを綴る。
05シャングリラ
彼女たちの名前を一躍広めたフジテレビ系アニメ『働きマン』エンディング・テーマ起用の3rdシングル。サビではキャッチーなメロディながら、変拍子を用いたり極端に音数の少ないアレンジを披露したりと一筋縄ではいかないダンス・ロック・ナンバーに仕上がっている。
06女子たちに明日はない
ボニーとクライドを描いた傑作映画を文字ったタイトルが目を引く4thシングル。“あぁ あなたの声が遠くなる”という3人のユニゾンによる歌唱で幕を開ける疾走感のあるロック・ナンバーだ。1曲のなかでさまざまな表情を見せるアレンジが楽しい。
07とび魚のバタフライ
NHK『ビタミンETV』のオープニング・テーマの5thシングル。意表を突くようなオープニングから不思議なリズム、サビでは開放感のあるサウンドとキャッチーなメロディという彼女たちのお得意のロック・ナンバー。ギター・ソロの力の抜け具合も楽しい。
08世界が終わる夜に
「とび魚のバタフライ」と両A面で発表された5thシングル。“わたしが神様だったら こんな世界は作らなかった”とぶっきらぼうに嘆くロック・ナンバーだ。佐藤江梨子主演の映画『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』主題歌。
09橙
6thシングルはかき鳴らすようなギターとエモーショナルな橋本のヴォーカルが胸に刺さるミディアム・バラード。甘え、傷つけたあなたに“もうどこにも行かないで”と歌う。チャットモンチーにとっては珍しい英語の歌詞が新鮮に響く。
10親知らず
イントロのギターのフレーズが独特な空気感を作り上げる3rdアルバム『生命力』収録のロック・ナンバー。“親知らず”が生えてきたことをきっかけに、洪水のように押し寄せる家族との想い出や両親への感謝の想いを綴る歌詞が感動的だ。
11ヒラヒラヒラク秘密ノ扉
佐藤隆太主演の映画『ガチ☆ボーイ』主題歌の7thシングル。細かくリズムを刻むドラムを軸に、歪みを効かせたベースでアクセントをつける導入がクール。“ヒラヒラ”“ビリビリ”“ボロボロ”と擬音を多用した歌詞がどこか呪文のように響いて楽しい。
12風吹けば恋
オルタナ風のロックなテイストを前面に押し出したナンバー。変わっていく自分に戸惑いながらも、全力で恋に立ち向かう乙女心を爽快に抜けるサビのメロディにのせて描き出す。ギターとベース、ドラムが絡み合うリズム遊びのようなアレンジがユニーク。
13染まるよ
吉高由里子主演の日本テレビ系ドラマ『トンスラ』主題歌の9thシングル。“煙草”という舞台装置を巧みに使いながら、終わりを迎えてしまったあなたとの恋を綴る。プロデューサーに亀田誠治を迎え、サウンド面でも新境地に踏み込んだといえるミディアム・バラードだ。
14Last Love Letter
記念すべき10thシングルは初となるセルフ・プロデュースによるロック・ナンバー。歪んだベースのフレーズとトリッキーなリズムから気持ちよく突き抜けるサビ、というお得意の展開。とはいえ、ひとつひとつの音をしっかりと作り上げている印象だ。
158cmのピンヒール
真っ直ぐなリズムにのせて色鮮やかに恋模様を歌い上げるポップ・チューン。夜空に浮かぶ月を“私たちの闇を照らすために真っ黒の画用紙に空けた穴”と表現する感性の豊かさ、3ピース・バンドながら情景をしっかりと描くアレンジのセンスに脱帽。
16ここだけの話
フジテレビ系アニメ『海月姫』オープニング・テーマに起用されたキュートでカラフルなポップ・チューン。自分のなかにある欲望を赤裸々に語るが、“今から歌うこと ここだけの話にしておいてね”という冒頭のフレーズにやられる。
17バースデーケーキの上を歩いて帰った
タイトルよろしく、ファンタジーのような不思議なサウンドが特徴的なナンバー。とはいえ歌詞の世界はシリアスで、リコーダーとのユニゾンで“あとどれくらい吹き消すだろう 希望と絶望を”と歌うシュールなまでの対比が楽しい。
[Disc 2]〈DVD〉〈足跡〜2005-2011〜〉
01DEMO、恋はサーカス
02さいた
03メッセージ
04ひとりだけ
05とび魚のバタフライ
06恋愛スピリッツ
07長い目で見て
08シャングリラ
09風吹けば恋
10ここだけの話 (Acoustic Ver.)
11染まるよ (Acoustic Ver.)
12真夜中遊園地
13Last Love Letter
14拳銃
15ヒラヒラヒラク秘密ノ扉
16親知らず
17ハナノユメ