ミニ・レビュー
小室哲哉プロデュースの[2]−(1)をはじめとする、シングル曲とアルバム収録曲で構成したベスト。初期のナンバーも数曲収録されているが、それらはリ・レコーディングされたもの。山口百恵の[2]−(10)など、カヴァー曲のセンスもいい。
ガイドコメント
ユニバーサル時代の総決算とも言える究極のシングル・コレクションが登場。現在、移籍後初のアルバムをリリース、ツアーも好調。2枚組28曲のヴォリュームがとどめだ。
収録曲
[Disc 1]
01飾りじゃないのよ涙は
井上陽水と中森明菜の幸福な出逢いは、日本の歌謡史に残るほどの歴史的な名曲を作り上げた。現在でもサウンド的にまったく古びておらず、井上陽水の楽曲に普遍性があることをまたひとつ証明する曲となったようだ。
02DESIRE-情熱-
中森明菜のキャリアのなかでも頂点を極めた曲で、86年の日本レコード大賞に輝いている。このあたりから彼女のヴォーカルもどんどん艶が増してきて、その特異性に磨きがかかっている。
03TATOO
04セカンド・ラブ
80年代初頭の歌謡曲の王道ど真ん中なナンバー。哀愁あふれる雰囲気は彼女の哀しげなキャラクターとよくマッチしている。のちのヴォーカル・スタイルからは想像がつかないほどその歌声は、可愛らしくあどけない。初期の彼女を語るうえではずせない曲だ。
05スローモーション
来生えつこ&来生たかお、という黄金のコンビによって書かれたシングル。もちろん時代の雰囲気を感じさせるものの、意外なほど初々しい歌声のおかげもあってか、今の耳で聴いてもかなり新鮮に響く。
06難破船
07予感
95年のベスト・アルバム『true album』に収録のヴァージョン(原曲は85年『ビター・アンド・スウィート』に収録)。ささやくような歌唱も印象的だが、言葉にない行間までもを吐露するような弦楽器の存在感も聴きどころだ。
08TANGO NOIR
09ジプシー・クイーン
10ミ・アモーレ- MEU AMOR ノ... -
ラテン音楽やタンゴのエッセンスを採り入れた曲で、85年の日本レコード大賞を受賞している。タンゴなどが持っている哀愁感がこの人のキャラクターとうまくマッチしており、これも必然的な出会いだったのだろう。
11ダンスはうまく踊れない
初めから本人の持ち歌だったのでは? と思ってしまうほど、中森明菜の色に染めあげられているが、1977年に石川セリによって歌われたのがオリジナル(作詞曲は井上陽水)。ストリングスの洗練されたアレンジに、彼女の抑えめな歌唱が絶妙に絡みあう。
12逢いたくて逢いたくて
13終着駅
14水に挿した花
90年発表のシングルをリメイクした、2002年のベスト『歌姫Double Decade』より。ピアノ1本のシンプルなアレンジと耳元でささやくような歌唱によって、繊細な主人公の心情と孤独感が強く迫ってくる。
[Disc 2]
01MOON LIGHT SHADOW〜月に吠えろ
02月華
94年当時、ジュエリーのCMソングに起用され、今でもステージで披露される機会が多い人気のナンバー。明菜の大きな持ち味であるヴィブラートを多用した歌唱が、メロディやアレンジと相まって他に例を見ないほど激情的になっている。
03原始、女は太陽だった
04愛撫
05Tokyo Rose
06APPETITE〜HORROR PLANTS BENJAMIN〜
07夜のどこかで〜night shift〜
08Everlasting Love
09Necessary
10愛染橋 (あいぜんばし)
11片想い
12私は風
13桜 (びやく)
14NORMA JEAN