ガイドコメント
1976年にリリースされ驚異的なセールスを記録した、ボストンの大ヒット・デビュー・アルバム。メロディアスで幻想的なサウンドと、トム・ショルツのギター・ワークは、いつ聴いても新鮮だ。
収録曲
01MORE THAN A FEELING
本当にシンセサイザー未使用!? と驚くばかりに、トム・シュルツのギター・プレイが冴えわたる、ボストンの大ヒット曲。しなやかなヴォーカル、弾むハンドクラップ、メロディの重厚な美しさはまさにロックの理想形だ。
02PEACE OF MIND
二種のギターにタンバリンを交えた劇的なイントロ、ツイン・リードとハイトーン・ヴォーカルで開放感と哀愁を同居させる本編。全編に王道ロックの風格が満ちている、未来を見据えろと説くポジティヴな曲。全米38位。
03FOREPLAY/LONG TIME
オルガンや“最高機密”と注釈が付けられたエフェクトでプログレッシヴな音世界を描く「フォアプレイ」と、ギター・アレンジが完璧な爽快ハード・ロック「ロング・タイム」との二部構成。ハンドクラップの出番が絶妙。
04ROCK & ROLL BAND
ドサ回りバンドの立身出世を歌った軽快なロックンロール・ナンバー。要所で凝りまくったギター・フレーズ、ところどころでトリッキーになるリズム、サビで立ちのぼる哀愁など、精緻さに裏打ちされたシンプルさが魅力。
05SMOKIN'
彼らの“アメリカン・プログレ・ハード”なる属性を象徴した、ブギありプログレありの幕の内ナンバー。ギター、オルガン、クラヴィネット、ベースをトム・ショルツが担当しているが、発する一体感はバンド顔負けだ。
06HITCH A RIDE
人生を極寒の冬にたとえた旅立ちの歌。アコースティック・ギターを爪弾いた穏和でフォーキーな要素と、プログレッシヴなオルガンや歌うような旋律のギターによるパワフルな要素を組み合わせた構成が巧み。隠れた名曲だ。
07SOMETHING ABOUT YOU
狂おしく情熱的なラヴ・ソング。「ピース・オヴ・マインド」系の開放感と哀愁が同居したナンバーで、天井知らずで伸びまくるギターとヴォーカルが絶品。ここいちばんでタメる曲展開と小気味よいドラミングが技あり。
08LET ME TAKE YOU HOME TONIGHT
「今夜は送らせて」と歌うラヴ・ソング。清々しくポップな曲調が終盤にはハイテンションな雰囲気に一変。『幻想飛行』収録曲では、これが唯一のメンバー5人参加曲。空耳で「ホントだ〜醤油付いてない」と聴こえることでも知られている。