ミニ・レビュー
田部京子の演奏でいちばん聴きたかったプログラム。グールドともアファナシェフとも違う彼女ならではの瑞々しさ。響きはあくまで透明で、タッチの一つひとつから滴り落ちる艶ややかさが聴き手の感覚を刺激する。ブラームス晩年の作品とはいえ、諦観や枯淡とは無縁。ロマンの香りに酔える。
ガイドコメント
田部京子にとって初となるブラームス・アルバム。「3つの間奏曲」「4つのピアノ小品」といった渋く美しい後期作品を取り上げている。内省的でありながらロマンティックな作品の本質を見事に捉えた一枚。
収録曲
ブラームス:
016つのピアノ小品op.118
023つの間奏曲op.117
034つのピアノ小品op.119
04主題と変奏op.18 (原曲:弦楽六重奏曲第1番〜第2楽章)