ミニ・レビュー
活動再開第2弾シングルは、最近のシンプルな作風を受け継ぎつつ、グルーヴに重点を絞ったようなダンサブルなアプローチ。これをポップに聴かせてしまうのだから、この小山田風ポスト・ロックも確立した感アリ。カップリングはYMOのカヴァーでこちらもお見事。★
ガイドコメント
アルバムに先がけての第2弾シングルは、浮遊感あふれるナンバー「Breezin'」を表題曲に、YMOのカヴァー「CUE」なども収録した、Corneliusならではの魅力あふれる1枚。
収録曲
01Breezin'
ピースフルで浮遊感あふれるナンバー。「くもり はれま くもり」と言葉遊びのような詞が、シンプルな音にマッチする。リズムに重点を置き、変調子の電子音をナチュラルに配している。音のマジックがちりばめられたキャッチーさが印象的だ。
02Cue
YMOの名曲のカヴァー。ミニマルなリズムになめらかなトレモロ・ギターで味付けをした、上質の音色が美しいポップ・ソング。小山田圭吾の幅広い音楽性とリミックス能力を最大限に生かしたサウンドは、聴き応え十分だ。
03Fit Song-The Books Remix-“eat white paint”
哀愁漂うアコースティック・ギターを聴かせるスムース・ナンバー。温かな生音を前面に出した演奏に始まり、徐々に電子音を交えた複雑な音へと変化していく。淡々としたヴォーカルが、曲全体に美しい透明感を与えている。
04Kling Klang
風に揺れるウィンド・チャイムの音が、33分間ゆったりと流れる不思議な時間。何か仕掛けがありそうで、思わず聴き入ってしまう癒しの音世界。聴き終える頃には、高原の風を吸い込んだような爽やかな気分に包まれるナンバーだ。