ミニ・レビュー
まず最初に英国で人気となり、全英チャート1位を記録するなど、話題の米5人組のデビュー作。クイーンをヒーローとするロック・バンドだが、実は音楽性は幅広く、オペラをやった経験があるという伸びやかなヴォーカルも魅力的な実力派だ。
ガイドコメント
デビュー・シングル「ノー・トゥモロウ」が全英チャート1位を記録した新人ロック・バンドの日本デビュー・アルバム。キャッチーなメロディとゴージャスなアレンジが効いたポップ/ロック・サウンドが楽しめる。
収録曲
01BRIGHT IDEA
デビュー作『ブライト・アイデア☆ひらメキ!』オープニング曲。『オペラ座の怪人』出演という経歴にも納得の、伸びやかなヴォーカルが印象的。アルバムのオープニングを飾るにふさわしい、躍動感いっぱいのロック・ナンバー。
02NO TOMORROW
全英チャートNo.1となったデビュー・シングル。裏声も聴かせるヴォーカルはもちろん、印象的なメロディ、効果的なコーラスなどからも、このバンドの非凡なセンスが感じ取れる。ヴォーカルに絡むギターもスリリング。
03HAPPINESS
ストーンズを思わせるどっしりとしたノリがカッコいいナンバー。歌うというより言葉を投げかけるといったヴォーカル・スタイル、ヘヴィかつブルージィなリード・ギターなど、新人らしからぬ迫力を感じさせている。
04ALREADY OVER
爽快なコーラスやギター・ワークなど、ポップ感覚があふれるミディアム・ナンバー。美しいメロディ・ラインに乗るヴォーカルとそれに寄り添うコーラスが華やかで、シングル・カットされても不思議ではないほどのキャッチーさも兼ね備えている。
05DOWNTOWN
“街に出て楽しもう”と歌う活発な曲。ヴォーカルとコーラスの絡みが絶妙で、曲の流れもその絡みを活かす工夫がされている。スケールが大きく、ちょっぴりホール&オーツを思わせるなど、とにかく聴いていて元気が出るナンバーだ。
06TRYIN TO HELP
ギターの短いフィード・バック音で始まる、スピード感にあふれたロック・ナンバー。聴き手の気持ちを高揚させる巧みなメロディ展開は、彼ら流のハード・ロックといった趣もある。ステージで映えそうなアグレッシヴな曲だ。
07SO AHEAD OF ME
アルバム『ブライト・アイデア☆ひらメキ!』の前曲「トライン・トゥ・ヘルプ」から切れ目なく始まるギター・ロック・チューン。ハイ・トーンでソウルフルなヴォーカルが大活躍する、非常にポップでエンターテインメント性に満ちた演奏だ。アルバム中盤のハイライトといえる。
08LAST NIGHT
アルバム『ブライト・アイデア☆ひらメキ!』のなかでも異質の光を放つ、セクシーなオルソン流ディスコ・ミュージック。この手の曲もファルセットで歌い切ってしまうヴォーカリスト、ジェイソン・ペブワースと、そして歌を支えるバックの器用さに脱帽だ。
09LOOK AROUND
ピアノのイントロで始まるバラード。アルバム『ブライト・アイデア☆ひらメキ!』のなかでも、数少ないしんみりとしたナンバー。グッと感情を抑えたヴォーカル、あまり大仰にならないバックのアレンジで、適度に盛り上がって終わるのがまたいい。
10SAVING THE WORLD
清らかな聖歌風イントロから一転してポップ・ロックへと展開する、すぐに覚えられそうな親しみやすいメロディが特徴のナンバー。涼しげなコーラスと軽快に進むサウンドが鮮やかで、このバンドの持ち味のひとつである娯楽性がたっぷりと表われた、明るい演奏だ。
11THE OKAY SONG
アルバム『ブライト・アイデア☆ひらメキ!』のラスト・ナンバー。ファルセットやコーラスを効果的に配したポップな演奏だが、間奏でエスニック調になったりするなど、細やかなアレンジも見事。さまざまな工夫が盛り込まれたにぎやかな曲だ。
12I CAN'T GO FOR THAT (NO CAN DO)
アルバム『ブライト・アイデア☆ひらメキ!』に収録のボーナス・トラック。彼らがリスペクトする、ホール&オーツのヒット曲をカヴァー。もちろんオルソンならではの個性は打ち出されているが、ことにヴォーカルにおいては、本家を聴いているような錯覚に陥るような完成度だ。
13BRIGHT IDEA
アルバム『ブライト・アイデア☆ひらメキ!』収録のボーナス・トラック。アコースティック・ヴァージョンなので、ビートなど躍動感は抑えられているがゆえに、逆に歌のうまさがじっくりと味わえる。オリジナルとは異なる、新鮮さがより輝くナンバー。