ガイドコメント
2003年7月に発表された2ndフル・アルバム。後にシングル・カットされた彼らの名曲「ジターバグ」を含む全11曲には、日本語詞を織り交ぜたエルレ流のエモ・サウンドが満載。インディーズの壁を越えたメジャー級作品。
収録曲
01Surfrider Association
ライジング・サンを思わせるイントロから清々しさが満ちあふれる。アルバム『BRING YOUR BOARD!!』のオープニングを飾る爽快なロック・チューンは、聴けば今すぐどこかへ飛び出したくなる、そんな忘れたくない初期衝動に満ちている。
02No.13
メロディアスなギター・リフからパンキッシュに加速するサウンド。パワフルなギターとドラムが爆走するエルレの特色が際立っている。センセーショナルな詞、激情の想いを乗せた切ない歌唱が巧妙にマッチした好楽曲。
03ジターバグ
弾け飛びそうなギターが縦横無尽に駆けめぐるパワフル・チューン。それはまるで“迷い”という闇から解放された喜びを、目一杯表わしているよう。鬱気に沈むすべての人に送る温かなメッセージは、晴々とした気分と生きる活力をくれる。
04A Song For James
重厚なギターのヘヴィなサウンド・メイクに、メリハリの効いた力強いドラムが映える。逆にサビは軽快でポップ。自身を奮い立たせようとしているような歌詞には、分岐点から前に進もうとする強い意志が感じられる。
05Wannabies
憧れの大スターたちの名称が多数登場し、なにかと親しみが感じられる歌詞が痛快なポップ・ソング。少年の心をいまだ忘れていない純粋なリリックから、ELLEGARDENのパワーの源がダイレクトに感じられる。シンプルな曲構成もグッド。
06Insane
ささやかな幸せを一つ一つ噛み締めるように紡ぐラブ・ソング。冒頭のアルペジオから優しいメロディは、ラストまでその雰囲気を保ちつつ巡っていく。正気でない現実から逃避して気が付いた、安らぎという名の幸福感を精一杯に表現する。
07My Friend Is Falling Down
恋に破れ落ち込みきった友人を励まそうと思い悩むさまがなんとも微笑ましい、男同士の心温まるストーリーを描く。直球テーマの歌詞には、どパンク・バンドを彷彿とさせる面白みがある。メッセージ重視のシンプルなパワー・ポップ・ナンバーだ。
08Dancing In A Circle
王道カッティング・ギターから始まり、流れるようにサビへと展開する爽快ロック・チューン。居心地のいい“たまり場”に別れを告げ、明日への出発を決意する男の青春の岐路を描く。かけがえのない友情への感謝にあふれたリリックが涙が誘う。
09Cuomo
彼らが敬愛してやまないウィーザーへの想いを歌う。ストレートでシンプルな楽曲構成と曲調はあえてウィーザー風味に仕上げたような印象で、ここにも愛情表現が感じられる。ウィーザーへ宛てた手紙のようにもとれる、優しさに満ちた1曲だ。
10金星
純真な心でふと考える幸福論。本当に大事なものなんてほんのひと握りで、それを大切にすればいい。そんな“やさしい気持ち”を思い出させるバラード・ナンバー。シンプルなリリックを一心に紡ぐ潔さが、曲の清々しさにマッチしていてグッド。
11So Sad
タイトル通り、悲しみあふれる“サッド・ソング”。2人の平穏な日々を壊す引き金を引いてしまった男の嘆きを切々と綴る。何気ない日常シーンの描写が秀逸だ。泣き叫ぶギターをはじめとする激情サウンドに、強烈に胸を打たれること必至。