ミニ・レビュー
ヴァントは遅咲きの指揮者だった。こだわりぬいた彼のブルックナー演奏がようやく認められるようになったのは晩年のこと。BPOに客演した本盤はすでに80半ばから90歳直前に達していた。とはいえ彼の想い描いたブルックナー演奏の極致がここに凝縮。“歴史的演奏遺産”として後世に伝えるべきアルバムとなった。
ガイドコメント
ブルックナー指揮者として名声を博したヴァントの最晩年に到達した名演奏集。細部の緻密さとスケールの大きさ、そしてなにより高貴なロマンティシズムに魅せられる。初めてブルックナーを聴く人にもスーッと入ってくる演奏だ。
収録曲
ブルックナー:
[Disc 1]
01交響曲第4番変ホ長調「ロマンティック」 (WAB.104) (1878/80年第2稿)
[Disc 2]
01交響曲第5番変ロ長調 (WAB.105) (原典版)
[Disc 3]
01交響曲第7番ホ長調 (WAB.107) (原典版/ハース版)
[Disc 4]
01交響曲第8番ハ短調 (WAB.108) (1890年第2稿/ハース版)
[Disc 5]
01交響曲第9番ニ短調 (WAB.109) (原典版)
演奏
ギュンター・ヴァント指揮 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音
[1] 98.1,2 [2] 96.1 [3] 99.11 [4] 2001.1 [5] 98.9