ミニ・レビュー
13世紀のカスティーリャ王、アルフォンソ10世によって編纂された400曲余からなるカンティガ集は中世歌謡の宝庫であり、第一級の資料だ。マリアの奇譚や賛歌であるが吟遊詩人たちによる世俗曲でもあり、その詩も音楽も多様で生き生きとしている。演奏も素晴らしく、名盤がまた一つ増えた。★
収録曲
カステーリャ王アルフォンソ10世(通称「アルフォンソ賢王」):〈「聖母マリアのカンティガ集」より
01第340歌:乙女にして栄光の母
02第1歌:今日この日から、わたしの歌を
03第76歌:おとめマリアの姿を汚す者は
04第18歌:われらを疑念から救うには (ヴェールを織る蚕) (器楽)
05第60歌:アヴェとエヴァでは大違い
06第320歌:聖母マリアはくれた
07第160歌:徳高き婦人を讃えたいなら (聖母マリアへの讃歌)
08第105歌:大いなる恵みと優しさと気高さ (アラスの乙女)
09第10歌:ばらの中のばら、花の中の花 (妊娠してしまった女子修道院長) (器楽)
10第7歌:聖母マリアに捧げなければ
11第383歌:おお、深い海の底を (溺れかけて救われた巡礼の婦人)
12第85歌:ひどい裏切り者を許すには (泥棒から助けられたユダヤ人) (器楽)
13第281歌:キリストを否定するほどの悪人も (悪魔の手下になった騎士の話)
14第127歌:母親を蹴った若者 (器楽)
15第213歌:聖マリアに仕える者は (無実で許された罪なき男)
16第380歌:黙らずに、遅れずに
17第295歌:聖処女が、数人の修道女の前に現れる (器楽)
18第10歌:ばらの中のばら、花の中の花
19第166歌:罪を犯して体を壊した人たちを (脚が治ったサラスの男)
演奏
ハナ・ブラジコヴァー(S,ゴシックハープ,ルネサンスハープ) バルボラ・カバートコヴァー(S,ゴシックハープ,プサルテリウム) マルギット・ユーベルラッカー(ドゥルセ・メロス) マルティン・ノヴァーク(PERC)