ガイドコメント
甲本ヒロトと真島昌利が率いるバンド、ザ・クロマニヨンズの2ndアルバム。シングル曲「紙飛行機」「ギリギリガガンガン」をはじめ、陽気でピースフルなロックンロールが満載。創作意欲の豊かさにも感服するばかりだ。
収録曲
[Disc 1]
01ギリギリガガンガン
ソリッドなギター・リフや、熱がこもったヴォーカルが印象的なロックンロール。スピード全開なメロディの中で、真っ赤な夕陽に向かって空き缶を蹴り上げ“今日は最高の気分だー”と叫ぶ甲本ヒロト。飾り気のない剥き出しの詞が彼ららしい。
02東京ジョニー ギター
強烈なビートに鋭いギターの切れ、そしてドラムの扇動感が爽快なロック・チューン。“僕らが何かを言うことで、聴き手の楽しみを奪いたくない”と語る彼ら。自由に想像が膨らんでいく、夢に満ちた抽象的な詞がこの上なく楽しい。
03悲しみのロージー
ギュンギュンと切迫感を持って迫るギター・ソロがかっこいいロックンロール。豊かな創作意欲を感じさせるサウンドに、キャリア20年超の実力が潜む。疾走感を持たせながらも、どこか繊細なメロディにグッとくる。
04メガトンブルース
“シャブナンゾーンナチンケナモン……”と舌を噛みそうな詞がずらずらと続く、陽気でアッパーなロックンロール。胸にまっすぐに飛び込んでくる力強いドラミングからは、“心からロックを楽しみたい”と考えるバンドの思いが伝わってくる。
05むしむし軍歌
“むしむし軍歌ー! おーい!”という無邪気な掛け声で始まる反戦歌。軍歌とパンクを融合したメロディに乗せ、虫たちが勇ましく戦争を始めるさまを歌っている。一見、単純な詞だが、聴けば聴くほどに皮肉めいてくる深い内容だ。
06こたつねこ
こたつでみかんを剥いたり、お茶を飲んで過ごす“こたつねこ”の生活を描いたギター・ロック。童話的でピースフルな詞とドスを効かせて叫ぶ甲本ヒロトの歌声との対比が強烈。一度聴いたら忘れない中毒性のあるメロディも親しみやすい。
07はさんじゃうぜ
クワガタをテーマにしたロックンロール。“楽しさ”を重視する彼らのリアルな感情が、力強く朴とつな歌声で綴られていく。“いま力出さなければ、いつ力出すんだよ”とハッとさせる鋭い詞や、ブルースハープの高度な演奏技術も堪能できる。
08ゴーロマンス
うなるベース音が興奮をかき立てるギター・ロック。哀愁を漂わせて疾走する構成の中で、これまでにない大胆な音作りを実現している。自由奔放に荒れ狂うギター&ドラム&ベースの爆音が、体に激しくぶつかってくるようだ。
09うめえなあもう
カントリー・テイストを取り入れたロックンロール。リズミカルに打ち込まれるドラム音を前面に出し、“カニより、俺の足のほうがうまいぜ”と歌う不思議な詞が耳に残る。“ワッフ〜”と裏声で歌う能天気な男性コーラスが笑いを誘う。
10夢の島バラード
8ビートのロックンロール。東京都江東区にある夢の島公園が、昔はごみの最終処分場であったことを題材にしている。哀愁が漂うアカペラに始まり、突如ヒートアップしたロック・サウンドへと一転するメリハリが魅力的。
11レフュージア
“避難場所”というタイトルを付けた、真島昌利作詞・作曲によるミディアム・ロック。近ごろ意味を排除した詞が多い彼らには珍しい、日常の感情があふれる詞が新鮮。少し割れたギターの音が心地よくラフな味わいを作っている。
12ゼロセン
彼ら流の荒っぽい愛を詰め込んだ、ギター・ロック調のラヴ・ソング。キュインキュインと鳴るギターのピック・スクラッチの音が、良いアクセントを作っている。真島昌利がかき鳴らす、ご機嫌なギター・リフがたっぷりと楽しめる。
13いきなりくる
強烈なビートを基調に、ズンズンと臓腑に響いてくるサウンドが痛快なロック・ナンバー。野太い男性コーラスや甲本ヒロトのブルースハープをふんだんに盛り込んだ、贅沢なサウンドに仕上がっており、繰り返すギター・リフが耳に残る。
14紙飛行機
疾走感あふれるアップ・テンポなロック・チューン。パワフルなコード感でかき鳴らされるギターと唯一無二の甲本ヒロトの声。誰が聴いても子供心を思い出させるのに十分な、無防備で無邪気な楽曲に仕上がっている。作詞曲ともに真島昌利。
[Disc 2]〈DVD〉cro-magnons TV SPECIAL