ガイドコメント
ネクスト・アッシャーと期待される16歳の新人シンガー、クリス・ブラウンのデビュー・アルバム。大ヒット・シングル「ラン・イット!」を中心にパワフルでダンサブルなものから、メロウなものまで伸びやかなヴォーカルを聴かせてくれる。
収録曲
01INTRO
記念すべきデビュー・アルバムのオープニング・ナンバー。これから何か凄いことが始まるような予感をさせるピアノとドラムが鳴り響く中、16歳にして貫禄十分のヴォーカルを聴かせてくれる。ワクワクさせられるイントロダクション・トラックだ。
02RUN IT!
若干16歳にして全米NO.1を獲得した曲。16歳とは思えない堂々としたヴォーカルには、早くもスター性が見え隠れしている。大物の誕生を祝福するようなシンセサイザーの音が気持ちの高揚を仰ぐ、ヘビロテ間違いなしの1曲だ。
03YO (EXCUSE ME MISS)
彼の最大の持ち味である透明感ある清々しいヴォーカルが堪能できる曲。また、ソウルフルな空気の中をたゆたうようなコーラス・ワークが秀逸で、爽やかさと切なさを描き出している。デビュー・アルバムからの2ndシングル。
04YOUNG LOVE
幻想的な空間を作り出すサウンド・ワークに、少年ならではの無垢で真っ直ぐなクリスの歌声が掛け合わさると、そこはまるで楽園のような世界。歌詞に描かれた純真さを見事に表現できる才能には驚きだ。
05GIMME THAT
R&B界の大物プロデューサー、スコット・ストーチが手がけた楽曲は、奇妙なメロディを鳴らすシンセサイザーが特徴的。クリスの歌声には鬼気迫るものがあり、ただただじっと耳を傾けるしかない。
06YA MAN AIN'T ME
ゆるやかで心地よく響くR&Bの王道ともいえる必殺の重低音ビートに、時折り高音を交えながら気持ちよく歌うクリスのヴォーカルが映え、聴く者を釘付けにするパワフルなナンバー。本物のスターだけが作ることができる上質な楽曲だ。
07WINNER
ブライアン・マイケル・コックスが手掛けたバラード・ナンバー。繊細なギターも良いムードを作っているが、何といってもあまりにも美しいクリスのヴォーカルには感極まるものがある。いつまでも浸っていたい空間がここにはある。
08AIN'T NO WAY (YOU WON'T LOVE ME)
リズムよく繰り出されるヴォーカルは、まるで感動的なセリフでも読んでいるかのようにズシズシと心に響く。1つ1つの言葉にまったく偽りが感じられないのは、クリスの音楽にかける愛情のあらわれであろう。
09WHAT'S MY NAME
ドライなギター音が印象的なナンバー。美しいヴォーカルが特徴的なクリスだが、ここではクールな歌唱を披露し、新たな一面を見せてくれる。ファンキーなサウンドとともにそのかっこ良い面持ちは、人を惹きつけるものがある。
10IS THIS LOVE
リズム・マシーンの重低音を基盤に繰り広げられるのは、とある少年の一途な恋の物語。これを説得力を失わずに歌い上げられるのは、16歳という若さゆえだろうか。まっすぐに心に響くクリスの歌声は鳥肌ものだ。
11POPPIN'
スロー・テンポのリズム・マシーンが際立たせているのは、疾走感あるクリスのヴォーカル。その歌声は妖しげな空気を含みながら、燃える恋心をしっかりと歌い切っている。それをしっかりサポートするコーラス・ワークも見事なものだ。
12JUST FINE
スピード感あるシンセサイザーが存分に盛り上げた空気感に、クリスのヴォーカルが現われると、まるで魔法がかけられたように人の心を掴んで離さない。ヴォーカルが次第に高揚していくにつれ、ますます彼の世界へと誘い込まれていくようだ。
13SAY GOODBYE
シンプルでありながらも人懐っこいピアノのメロディに誘われていくと、そこに現われるのはあふれんばかりのロマンチシズムを内包したクリスのヴォーカル。甘いというよりも純粋なその声の瑞々しい魅力には、懐かしささえ漂っている。
14RUN IT!
全米NO.1シングルのリミックス・ヴァージョン。エレクトロ性を増した妖しげなムードに、クリスの清らかな声という対照的な組み合わせが功を奏し、互いの魅力を浮き彫りにしている。見事なリミックスだ。
15SO GLAD
軽快なドラム・サウンドを背景に、クリスがファンキーな歌唱に挑戦する。その見事な出来映えに彼の多才さを確認できる。こんな真っ直ぐなポジティヴ・ナンバーを正直に歌える心の清さも、彼の魅力の1つだろう。
16SEEN THE LIGHT
うねるベース・ラインと重低音ドラムを従えた、リコ・ラヴとのデュエット曲。自身の過去について歌われており、成功を手に入れるまでの彼の辛い想い出が収められている。夢を掴んだ男の声が、真摯に、感動的に響きわたる。
17THANK YOU
壮大なサウンドが作り出すのは、タイトル通りの感謝の意を表わした曲。うさん臭くなりがちなテーマだが、クリスの説得力ある歌声がこの曲に命を吹き込んでいるようで、感動的な仕上がりを見せている。