ミニ・レビュー
16年ぶりにデイヴ・ロンバード(ds)が復帰し、オリジナル・ラインナップで作り上げた5年ぶりのアルバム。ツイン・ギターによるキラー・リフをはじめ、元祖スラッシュ・メタル・バンドならではのスリリングなスピード感は本作でも健在で、パワフルで攻撃的なサウンドスケープは貫禄十分。
ガイドコメント
80年代から活躍を続けているヘヴィ・メタル界のカリスマ・バンド、スレイヤーの5年ぶりとなるアルバム。オリジナル・ドラマー、デイヴ・ロンバートの復帰により、ファン垂涎の暴力的なドラミングが再び堪能できる。
収録曲
01FLESH STORM
フィードバック・ノイズから突如切り込んでくるヘヴィなリフ。そして、リズムが爆走し始めると、もうあとは血みどろの激烈スラッシュ・サウンドに身を委ねるしかない。狂気をはらんだギター・ソロもインパクト充分だ。
02CATALYST
たたみかけるようにイントロが弾けるやいなや、スラッシュ・ビートが走り出し、そのまま一気に最後まで駆け抜けるアグレッシヴ・チューン。叫びっぱなしのヴォーカル、ノイジーに暴れ回るツイン・ギターも強烈だ。
03SKELETON CHRIST
ラフに刻まれるウルトラ・ヘヴィなギター・リフがサウンドを引っぱり、合間に挿入されるパンキッシュに疾走するビートがさらに凶暴性を増幅させる暴虐メタル・チューン。力いっぱいに押しきるビートもスレイヤーならでは。
04EYES OF THE INSANE
ヘヴィかつダークな曲想を持ったグルーヴィなナンバー。鬼気迫るシャウト、アグレッシヴに押しまくるドラム・ビート、ノイズの嵐をまきちらすツイン・ギターが、三位一体となって暴虐的サウンドを紡ぎ出している。
05JIHAD
ヤケに飄々としたギター・リフで幕を開けたかと思うと、一転してヘヴィなビートが爆走し始めるアグレッシヴ・チューン。力押しの反復フレーズが生み出すグルーヴは、狂気じみたギター・ソロとともに楽曲の凶暴さを押し進める。
06CONSFEARACY
ヘヴィに疾走しまくる3分強の激烈スラッシュ・ナンバー。直線的でタイトなリズム、ザクザク感がたまらないギター・ワーク、言葉をマシンガンのように吐き出すシャウトはスリリングで相性も抜群だ。
07CATATONIC
ミッド・テンポ&ヘヴィなサウンドで引きずるようなグルーヴを誇るナンバー。ダウナーに刻まれるギターとわめきちらすようなアグレッシヴなヴォーカルが、狂気じみた退廃的なテイストを演出させる。
08BLACK SERENADE
グルーヴィなリフ回しで幕を開けるヘヴィ・チューン。暴虐度は低めかと思わせておいて、ノイズ満載の激烈なギター・ソロをきっかけにテンポ・アップ。後半はたたみかけるようなアグレッションが襲いかかる。
09CULT
不気味なイントロで幕を開け、引きずるようなヘヴィ・リフの反復から、リフ・チェンジと派手なドラミングをきっかけに、一気にリズムが疾走し始めるアグレッシヴ・チューン。耳をつんざくギター・ソロの乱舞もインパクト満点。
10SUPREMIST
超速のリフがうなりを上げ、激烈なビートが問答無用で駆け抜ける極悪スラッシュ・チューン。リフの切り替えやギター・ソロ、絶叫ヴォーカルをキッカケとする強引なテンポ・チェンジも、まさにスレイヤーの美学そのもの。