ミニ・レビュー
「騒音への欲求」が20世紀“現代社会”に必要とされた楽音であり、西洋音楽が目指した方向性であるとの論。そうした中から生み出されてきた「電子音楽」作品が検証される。豪華ブックレットに語られた作品が収められたオムニバスCDは、文字通り時代を俯瞰する音のカタログとして楽しめる。
ガイドコメント
坂本龍一が監修を務める“commmons:schola”シリーズの第13巻。今回のテーマは科学技術の発展とともに生まれた“電子音楽”で、シュトックハウゼンやジョン・ケージ、湯浅譲二らによる革新的な楽曲が楽しめる。
収録曲
01習作2 (シュトックハウゼン)
02エチュード1 (ブーレーズ)
03偶発音のエチュード (フェラーリ)
04アナロジック・A+B〜9弦楽器とテープのための (クセナキス)
05カートリッジ・ミュージック (ケージ)
06イッツ・ゴナ・レイン パート1 (ライヒ)
07ホワイト・ノイズによる「イコン」 (湯浅譲二)
08ピエールに。青い沈黙、不穏〜バス・フルート、コントラバス・クラリネットとライブ・エレクトロニクスのための (ノーノ)
09ナイルの1月〜エレクトロニック・リアリゼーション版 (バルロ)
演奏
(1)カールハインツ・シュトックハウゼン (2)ピエール・ブーレーズ (3)リュック・フェラーリ (4)ヨハネス・カリツケ指揮 アンサンブル・レゾナンス (5)ジョン・ケージ,デヴィッド・テュードア (6)スティーヴ・ライヒ (7)湯浅譲二 (8)ルイジ・ノーノ ロベルト・ファブリチアーニ(FL) エルネスト・モリナーリ(CL) (9)クラーレンス・バルロ