ミニ・レビュー
シリーズ第15巻。「モダニズムの進歩史観からポストモダニズムの相対主義への転換」(浅田 彰)に対し「過去300年分くらいの音楽が、この40年くらいに凝縮している」(藤倉 大)との主張を対峙、1945年から現在の欧州大陸における“現代作品”を俯瞰。添付CDは音質面も良く整えられた良作。
ガイドコメント
坂本龍一総合監修による音楽全集シリーズ『commmons:schola』の第15巻。今作では作曲家の藤倉大を共選者に招き、第二次世界大戦のあと、1945年以降に書かれた音楽を紹介している。
収録曲
01独奏チェロのための「イグール」〜第2楽章 回想 (ジャチント・シェルシ)
02メタボール〜第2楽章 線的な (デュティユー)
03ピアノ協奏曲〜第1楽章 ヴィヴァーチェ・モルト・リトミコ・エ・プレチーゾ (リゲティ)
04ピアノのための「12のノタシオン」〜第4番 リズミーク (ブーレーズ)
05オーケストラのための「ノタシオン」〜第4番 リズミーク (ブーレーズ)
06フォーク・ソングズ〜第10曲 糸紡ぎ女 (カントルーブ「オーヴェルニュの歌」より) (ベリオ)
072つのチェロ、2つのヴァイオリン、チェレスタのための「リガトゥーラ-フランセス=マリーへのメッセージ (答えのない質問の答え)」op.31b (第2版) (クルターク)
087つの日より〜第2曲 アンサンブルのための「無限に」 (シュトックハウゼン)
09トッカティーナ〜独奏ヴァイオリンのための練習曲 (ラッヘンマン)
10オペラ「暴風雨警報」〜警報1 (アペルギス)
11コントラバス・クラリネットのための「アヌビス=ヌート」〜第2部 ヌート (グリゼー)
12独奏ヴァイオリンのための「6つのカプリス」〜第1番 ヴィヴァーチェ (シャリーノ)
136声と器楽アンサンブルのための「ヴィジリア (徹夜祷)」〜ソナタ1 (リーム)
14アンプリファイド・ペッツォルト・コントラバス・リコーダーのための「シースケイプ」 (ロミテッリ)
15独奏クラリネットのための「バグ」 (ブルーノ・マントヴァーニ)
16オケアノス〜第2楽章 笙とオーボエのための「ブリージング・タイド」 (藤倉大)
演奏
(1)フランセス=マリー・ウィッティ(VC) (2)パーヴォ・ヤルヴィ指揮 パリ管弦楽団 (3)ピエール・ロラン・エマール(P) ピエール・ブーレーズ指揮 アンサンブル・アンテルコンタンポラン (4)ピエール・ロラン・エマール(P) (5)デヴィッド・ロバートソン指揮 リヨン国立管弦楽団 (6)キャシー・バーベリアン(MS) ルチアーノ・ベリオ指揮 ジュリアード・アンサンブル (7)ミクローシュ・ペレーニ(VC) ゾルターン・コチシュ(チェレスタ) ケラー四重奏団 ブダペスト祝祭管弦楽団のソリスト達 (8)ツァイトクラッツァー (9)マリエット・レナーズ(VN) (10)ドナティエンヌ・ミシェル=ダンサック(S) リオネル・パントル,ロマン・ビショフ(BR) ジョルジュ=エル・オクトール指揮 アンサンブル・イクトゥス (11)エルネスト・モリナーリ(CL) (12)バルバラ・リューネブルク(VN) (13)ルペルト・フーバー指揮 コールヴェルク・ルール アンサンブル・モデルン (14)アントニオ・ポリターノ(CB,BF) (15)ブルーノ・マントヴァーニ指揮 アンサンブル・アルテルナンス (16)ロビン・トンプソン(笙) ジニー・ショー(OB)