ミニ・レビュー
多様なサウンドに柔軟に絡んでみせる人気女性R&B歌手が、ロックなテイストが出た(4)(5)など、これまで以上にハードに迫っても魅せる。“これがベスト”と語る自信満々の3作目。アーヴ・ゴッティをはじめジ・インクの仲間の全面的バック・アップで、(11)はジャ・ルールとの共演。
ガイドコメント
ジャ・ルール率いる“マーダーインク”からデビューした新世紀R&Bクイーンの3rdアルバム。ライトで伸びやかな声にも磨きがかかり、アルバム全体もトータルな印象を残す意欲作。
収録曲
01CONCRETE ROSE INTRO
ホーンの音色とセクシーなスキャットが、アダルトな雰囲気を醸し出すイントロダクション。デビュー当時の破竹の勢いはなくとも、それを補ってあまりある3rdアルバム『コンクリート・ローズ』の出来を予感させるトラックだ。
02STILL DOWN
ポップなメロディ・ラインに乗ったアシャンティの艶のあるヴォーカルに圧倒される、極上のR&Bナンバー。T.I.と交わす絶妙な掛け合いからも、アーティスト/エンターテイナーとしての成長の跡が感じられる。
03MESSAGE TO THE FANS
“自分のファンへの感謝を込めたメッセージ”という形で、アシャンティの胸の内を語ったスキット。自分の音楽を愛してくれるすべての人に対する心からの感謝に加えて、彼女に宿る歌への強い自信が伝わってくる。
04ONLY U
3rdアルバム『コンクリート・ローズ』からのシングル曲。歪んだギターを取り入れた硬質なサウンドに、アシャンティの伸びやかなヴォーカルが乗った、それまでの路線とはちょっと違うクールなR&B。
05FOCUS
打ち込みを多用した独特のスリリング感の漂うリズムに弾むように乗る、アシャンティのヴォーカルが特徴的なR&Bチューン。恋人との別れをあえて淡々と綴ったリリックに、強い共感をおぼえる女性リスナーも多いことはず。
06DON'T LET THEM
ゆったりとしたメロディにしっとりとしたアシャンティのヴォーカルを乗せた、R&B調のバラード・ナンバー。しなやかに伸びる歌声とキャッチーなコーラス部分が、リスナーの心をゆっくりと癒してくれる。
07LOVE AGAIN
多様な楽器を採り入れることで、幻想的なイメージに仕上がったメロウなラブ・ソング。リラックスしたアシャンティのヴォーカルがゆったりとしたメロディと混ざり合って、不思議な浮遊感を生み出している。
08TAKE ME TONIGHT
ゆるめのメロディ・ラインに乗せたアシャンティとロイドの伸びやかなヴォーカルが、リラックスした気分を与えてくれるR&Bチューン。効果的に投影されたギター・サウンドが、曲全体に流れるスローな雰囲気を生み出している。
09U
メロウなメロディが心地よく響く、落ち着いた雰囲気の正統派R&Bチューン。メリハリの効いたビートに寄り添う浮遊感のあるアシャンティのヴォーカルが、リスナーの身体を自然にスウィングさせていく。
10EVERY LIL' THING
なめらかでキャッチーなメロディが心地よく身体にすべり込むような、R&B調バラード。濃厚かつカラッとした声色を操るアシャンティのテクニックに、ヴォーカリストとしての成長をハッキリと感じとることができるナンバーだ。
11TURN IT UP
ジャ・ルールとコンビを組んだ、メロウな曲の多いアルバム『コンクリート・ローズ』中で随一のアッパー・チューン。激しいシャウトでスタートする冒頭から終わりまでハイテンションで押し通し、リスナーをパーティへと放り込んでいく。
12BUCK 3000
アルバム『コンクリート・ローズ』での熱狂的なパーティ・チューン「ターン・イット・アップ」で上昇した体温をクール・ダウンさせ、続くメロウ・ナンバー「ソー・ホット」へと繋ぐインタールード。ノイズ混じりのスキットに、遊び心が感じられる。
13SO HOT
静かに燃え上がる恋人同士の愛情を歌った、アダルトな雰囲気を醸し出すR&Bチューン。セクシーなアシャンティのヴォーカルが、2人で過ごす時間をさらに盛り上げてくれること間違いなし。恋人とぜひ一緒に聴きたい曲だ。
14DON'T LEAVE ME ALONE
LLクールJらのプロデュースで知られるセヴン・オーレリアスをフィーチャーした、オーソドックスなR&Bチューン。アルバム『コンクリート・ローズ』全体に流れるメロウな雰囲気を、最も良く表わしているナンバーといえる。
15SISTER STORIES
“彼、別の子と一緒にいたわよ”というShi Shiの生々しいセリフに、普段の姉妹の会話を想像してしまうリアルなスキット。ア・カペラで絡みあう2人のヴォーカルの美しさに、リスナーは思わず引き込まれてしまうだろう。
16FREEDOM
壮大なイメージを喚起させる、ゆったりとしたバラード・チューン。美しいヴォーカルと“私は私らしく生きてゆくわ”という凛とした歌詞に勇気づけられる。落ち込んだ気分の時、1人で静かに聴きたい。
17WONDERFUL REMIX
これまでもたびたびコラボレートしてきた盟友ジャ・ルールとコンビを組んだ、正統派R&Bチューンのリミックス。オリジナル・ヴァージョンでヴォーカルを担当しているR・ケリーは、ここではコーラス部分でその美声を聴かせてくれる。
18TOUCH MY BODY
アルバム『コンクリート・ローズ』の日本盤ボーナス・トラックとして収録された、ダークな雰囲気のヒップ・ホップ/R&Bチューン。ささやくようなヴォーカルが、アシャンティのセクシーさをさらに引き出している。
19SPEND THE NIGHT
アルバム『コンクリート・ローズ』の日本盤ボーナス・トラックに収録の、しっとりとしたヴォーカルを聴かせてくれる正統派バラード。少し鼻にかかった歌声と甘えるようなリリックが、恋人との夜を盛り上げてくれること間違いなしのナンバー。