ガイドコメント
パンク史上名盤中の名盤と言われるダムドのデビュー・アルバム。77年にロンドン・パンク初のアルバムとしてリリースされた。「ニュー・ローズ」のB面曲などボーナス・トラックあり。
収録曲
01NEAT NEAT NEAT
一直線にドライヴするベースとエキサイティングなリズム、そしてソリッドなギターが生み出すスリリングな雰囲気。高速で歌う「ニート! ニート! ニート!」に度肝を抜かれる、ダムドの代表的なナンバー。
02FAN CLUB
エキゾティックなギターの激しさと、気だるさを持ったデイヴ・ヴァニアンのヴォーカルとが絶妙に絡み合い、独特な空気感で聴き手を引き込むナンバー。ファン・クラブへ向けた複雑な思いを表わした詞も興味深い。
03I FALL
レッド・ツェッペリンのジョン・ボーナムも絶賛したという、ラット・スキャビーズのド派手かつパワフルなドラミングが際立つスピーディなナンバー。その強烈なビート・サウンドには、爆発寸前のエネルギーがみなぎっている。
04BORN TO KILL
「俺は生まれながらの殺し屋」という過激な歌詞と、荒々しく攻撃的に畳み掛ける演奏に聴き入ってしまう疾走感のあるナンバー。後半の気合いの入ったブライアン・ジェイムズによるギター・ソロも聴きごたえ十分。
05STAB YOUR BACK
あっという間に駆け抜ける58秒のハイ・スピード・ナンバー。「Stab your back !」(背中を刺すぞ!)と繰り返し叫ぶその鬼気迫る勢いは、まさに体中を押えつけられ身動きができなくなる程に圧倒的。
06FEEL THE PAIN
ささやくようなデイヴ・ヴァニアンの妖しい歌声が印象的なスロー・ナンバー。不気味な雰囲気に包まれたこの曲は、終盤に向けて徐々にペース・アップしていき、そのダークな世界観に、よりはっきりとした輪郭を浮かび上がらせている。
07NEW ROSE
ガンズ&ローゼズなど様々なアーティストによってカヴァーされている、1976年発表のデビュー・シングル曲。これぞパンクといえるタムを絡めた攻撃的なリズムと、一度聴いたら忘れないスリリングかつキャッチーなギター・リフに興奮せずにはいられない。
08FISH
思わず一緒に「フィッシュ!」と叫びたくなるノリノリのパンク・ナンバー。激しさと刺々しさで攻めながらも、ところどころに光るキャッチー&ポップなセンスに、彼らがいかにパンク・ロックを楽しんでいるかがわかる。
09SEE HER TONITE
これでもかと叩き出されるラット・スキャビーズの圧倒的なビートと、楽曲の持つ尋常ではない破壊エネルギー。わずか数分では収まりきらない程の勢いは、時空を突き破り、どこまでも飛んで行きそうなパワーを秘めている。
101 OF THE 2
尖ったギター・サウンドと割れんばかりの豪快なドラムが、腹の底まで鳴り響く力強いパンク・ナンバー。努力したのに報われないというやり場のない怒りと鬱憤を吐き出した詞からは、彼らの切迫した思いが伝わってくる。
11SO MESSED UP
「1.2.3.Oh she's so !!」のカウントに、のっけから頭を振り乱して踊りたくなる勢い満点の疾走チューン。聴く者を圧倒するダイナミックに鳴らされる演奏は、まるで誰も止められない暴走列車のよう。
12I FEEL ALRIGHT
イギー・ポップのストゥージズ時代の名曲「1970」を、タイトルを変えてカヴァーしたナンバー。メンバー全員の最高潮まで上がりきったテンションとラストの壊れっぷりは、パンク・ファンならずとも興奮せずにはいられない。
13HELP
ビートルズの名曲を激しいビートとアグレッシヴな演奏で大胆にアレンジし、ダムド風にカヴァーしたナンバー。思わず原曲を忘れてしまうほど、荒々しいパンキッシュな仕上がりになっている。
14SINGALONGA SCABIES
シングル「ニート・ニート・ニート」のB面曲。ドラムのラット・スキャビーズが作曲した「スタッブ・ユア・バック」のインスト・ヴァージョンで、ダムド最大の魅力である彼の破天荒なドラム・プレイが堪能できる。