ミニ・レビュー
小西康陽プロデュースのセカンド。タイトルどおり、全編四つ打ちのダンス・ビートがノンストップで続き、その中で彼女がクールかつ軽やかな歌声を聴かせる。「バブリイ。」なんて曲があるように、90年代っぽいゴージャスなムードで貫かれているのがキモ。
ガイドコメント
小西康陽の新レーベルでの先行配信による楽曲発表が話題となった、野本かりあのフル・アルバム。先行シングルの「自由度。」をはじめ、ピチカート・ファイヴの名曲をリアレンジした「東京は夜の七時」など、話題のナンバーが満載だ。
収録曲
01BOOMBASTIC HIP HOUSE BAND
ノンストップ・アルバム『DANCE MUSIC』の幕開けにふさわしい、アゲアゲのパーティ・チューン。普段“カァリィ”がDJとして回すときの速度である135BPMの高速ビートに、ハンドクラップなど遊び心たっぷりのアレンジが楽しい。
02FMSB
無機質だけど甘ったるくて、耳に残る個性的なヴォーカルが、まさに“ファンキー・モンキー・セクシー・ベイベー”な、ポップでおしゃれなディスコ・チューン。思わず踊りだしたくなるようなゴキゲンなトラックでパーティ気分!
03自由度。
ヒップホップ・グループ、エイジアエンジニアをフィーチャーしたシングル曲。“カァリィ”と彼らとのユーモアたっぷりのラップによる掛け合いが絶妙。今までの彼女にはないヒップホップ要素たっぷりの、意外性が発揮されているナンバーだ。
04バブリイ。
ハリのある“カァリィ”のハイトーン・ヴォーカルからはじまる、キュートでアッパーなダンス・チューン。「夜がくるとソワソワ、ワクワクする」というパーティ大好きな女の子の気持ちを歌う詞が、キュートで“カァリィ”にぴったり。
05G.T.O.
ロック・テイスト満載の重低音がきいたトラックに、カァリィのしっかりとした低音ヴォーカルがハマっている。バイクのエンジン音のような遊び心たっぷりのアレンジが、リスナーのテンションもアゲアゲにしてくれるナンバーだ。
06GIRLS IN LOVE
80年代のディスコ・テイストがたっぷりの浮遊感あるパーティ・チューン。ちょっとせつないメロディと、駄目な男に恋をして結局恋に苦しんで死んでしまった女の子を歌う悲しい詞世界とを、楽しいトラックへと昇華するポップさが見事だ。
07ソウル・トレイン。
タイトルどおり“ソウル”好きの心をギュッとつかむトラック&メロディ……ハウスやダンス・クラシックのたまらないフレーズが満載のナンバー。いつまでも聴いていたくなるような、恍惚感にあふれたグッド・ミュージックだ。
08瞳の中にミラーボール。
ミラーボールで照らされたホールでのパーティ気分が味わえるアッパー・チューン。次々と展開していくメロディ展開と派手派手なアレンジが楽しい。新しい恋をする女の子の気持ちを歌った詞もキュート&ポップで、小西プロデュースらしさが全開だ。
09KARLY'S DANCE MUSIC
普段DJとしても活躍中の“カァリィ”が自身の楽曲をつなげ、リミックスに初挑戦。もともと甘い感じの楽曲たちが、テクノ好きの彼女によって、サイバーで硬質な印象の楽曲へと大変身させている。まさに「KARLY'S DANCE MUSIC」だ。
10東京は夜の七時。
11遊び。
ヴァイオリンの音色が効いた、昼下がりのようなおだやかなミディアム・ナンバー。傷つきたくなくて「本気になるのは可笑しい」、「遊び」と割り切る、せつない詞世界と、カァリィの抑え目のヴォーカルが絶妙にリンクしている。
12どうしてこんなにあなたが好きなのだろう。
好きな人を思う女の子の気持ちを歌った、さわやかでアップ・テンポなポップ・ナンバー。ビートは効いているがおだやかでほんのりせつないアレンジから一転、後半いきなり曲調がテクノ寄りに変化する展開もおもしろい。