ミニ・レビュー
2000年デビューの男性シンガー。2002年の初作品は、70〜80年代の楽曲のカヴァー集。実妹の椎名林檎、東京スカパラダイスオーケストラ、TWIGYらをフィーチャーしながら、ファンキーかつソウルフルな仕上がりを見せる。原曲のよさを理解したアレンジだ。
ガイドコメント
NEWDIGSOULレーベル第1弾は、椎名純平が自身のルーツに回帰した珠玉のカヴァー・アルバム。「モンキー・マジック」などのJ−POPクラシックから兄妹デュオ曲まで、話題満載の1枚。
収録曲
01モンキー・マジック (featuring TWIGY)
ゴダイゴのカヴァー曲。TWIGYをフィーチャーすることで、原曲にはないラップ部分が追加され、よりきびきびとした小気味好いアレンジとなっている。中華風ではありながら椎名純平のソウルなスパイスがミックスされている。
02いつか晴れた日に
「いつか晴れた日に」という想いの込められたほろ苦い歌詞と、その想いがおのずと浮かび上がってくる、雨の日を連想させられるしめやかな曲調。山下達郎のカヴァー曲を真っ直ぐな思いとせつなさをもって表現している。
03Yes-No
男女のかけ引きを切なく、そして内に秘めた叫びをソウルフルに歌い上げている。一貫した8ビートにコーラスやブラス、シンセサイザーなどを上品に盛りつけ、オフコースの名曲にまた一味違った息吹きを与えている。
04IF YOU WERE THERE
高々と陽気なラッパが奏でられるイントロ、南国のようなあたたかいイメージのAメロを経て、サビでは色っぽくしっとりと。楽しげな、しかし、どことなく切ない雰囲気が伝わってくる。アイズレー・ブラザーズのカヴァー曲。
05WHERE IS THE LOVE (with 椎名林檎)
椎名林檎との兄妹による初デュエット曲。恋人を待ち続ける想いがたっぷりと歌われ、二つの歌声が重なり合うことで大人の魅力が艶めかしく表現されている。ロバータ・フラック&ダニー・ハサウェイの名曲のカヴァー。
06勝手にしやがれ
オリジナルは沢田研二。ブラス・セクションには東京スカパラダイスオーケストラのNARGO、北原雅彦、GAMOが迎えられ、さらに川口大輔も参加。彼らの生み出す壮大かつ鋭敏なグルーヴの中、椎名純平のストレートな歌声が映えるナンバー。
07どしゃぶりの雨の中で
和田アキ子のヒット曲のカヴァー。原曲の持っている和製に仕上げられたリズムとメロディが、クールに洗練されている。歌唱法も和田のそれを思い起こさせる、楽しみながら制作していることが伝わってくる一曲。
08浅い夢
来生たかおのデビュー曲をカヴァー。甘い音色のエレクトリック・ピアノを中心に、余計なものを一切排除したシンプルなアレンジ。やわらかい仕上がりだが、芯のある強いメッセージが込められた、心の琴線に触れる楽曲だ。