ミニ・レビュー
2006年3月リリース。全86曲の中からホームページでのファン投票にて、投票上位順(!)に収録した全30曲のベストCD2枚組。ブックレットにはファンのコメントを掲載という完全サポーター仕様。ファンは1曲目から釘付け&ハイ・テンション間違いナシ!
ガイドコメント
2006年3月リリースの2枚組ベスト・アルバム。彼らが6年間の活動の中で発表した全86曲から、ホームページでのファン投票によって決定されたベスト・セレクション。ブックレットにはファンのコメントも掲載。
収録曲
[Disc 1]〈01-15/86〉
01あいのうた
フィドルをフィーチャーしたアイルランド民謡風のアレンジに強力なビートがのった爽快なポップ・チューン。“3年前と今”よりも“10年先”をイメージしたいという、どこまでもポジティヴな気持ちが印象的。
02陽のあたる坂道
2002年2月発表の12thシングル。坂道に希望を託したミディアム・テンポのハートウォーミングなチューン。卒業から新しい季節に向かうころにふさわしい雰囲気で、聴くもよし、歌うもよしのD・A・I屈指の名曲といえそう。
03本日ハ晴天ナリ
2003年9月リリースの16thシングル。爽快なビート・パンク・ナンバーで、スーパー・ポジティヴといえそうなメッセージが、力強いヴォーカルとドライブ感たっぷりのバンド・サウンドで届けられる。
04SUMMER DAYS
全編英語詞によるパワフルなロック・ナンバー。メロディも明るく、開放的で元気いっぱいの夏にふさわしい一曲に。ただし、歌詞自体はいわゆる“summer days”を皮肉るような内容。
05柊
2003年11月リリースの17thシングル。冬の訪れを“柊”にたとえ、情感を込めて歌われる内省的なバラード系ナンバー。ストリングスとピアノを交えたアレンジが、哀愁のあるメロディを引き立てる。
06Yesterday&Today
2000年4月発表の4thシングル。スローでじっくりと祈るように迫るバラード・ナンバーで、“昨日と今日”だけでなく、明日への希望さえも感じさせる雰囲気。ピースフルで穏やかな気持ちにさせてくれる。
07科学の夜
科学という言葉へ結びついてるからなのか、演奏面ではヒステリカルな旋律や幻惑的な効果音を加えたりなど、実験的なアプローチも施している。とはいえ、歌声自体が哀愁味を持っている分、悲哀さを持った良質な歌として胸へ響いてくる。
08We are.
2000年11月発表の6thシングル。チャイムを効果的に配した、爽快なポップ・チューン。出会えたことの奇跡など、普段気づくことは少ないことも大切にしたい気持ちを綴った歌詞とメロディが印象的。
09遠雷
夏の光景をテーマにノスタルジーを交え、つづられるバラード・ナンバー。ストリングスやアコースティック・ギターなどのシンプルなアレンジをバックにした、伸びやかで力強いヴォーカルに引き込まれる。
10Oasis
2000年1月発表の3rdシングル。メロディアスで切なさを感じさせるミディアム・チューン。バンド・サウンド、デジタル・ビート、ロック・ギターといったさまざまな要素に明快なヴォーカルがのったD・A・Iのサウンドの完成形のひとつ。
11冒険者たち
11thシングル。スピーディに刻まれるビートに伴のダイナミックなヴォーカルが映える、爽快なナンバー。“冒険者”というテーマから繰り出される前向きな歌詞もD・A・Iらしい。花王ラビナスのCMソングに使用された。
12遠くまで
8thシングル。爽快なギター・サウンドを配したポップ・ロック・チューン。明快で伸びやかなヴォーカルや前向きな歌詞とあいまって、スケール感たっぷりのナンバーに。映画『バンパイアハンターD』の主題歌。
13空想旅団
D・A・Iが渋谷の路上から出発したことを織り交ぜ、時空を超えた旅を感じさせる歌詞と、転調も心地よい壮大なナンバー。ダイナミックでパワフルなギターも聴きどころのひとつ。
14I miss you?
本当はあなたの側に居たいのに……。真夜中の孤独感に支配された女性が、愛しい人を想い胸を泣き濡らしていく気持ちを描写。切ない歌とはいえ、楽曲自体は勇壮な演奏の上で躍動していく。
15Field of dreams
今はそれぞれの道を選んだ関係だけど、あの時に分かち合った気持ちは決して忘れてはいない。一つの答えを導き出せた今だからこそ、始まりの頃の気持ちを思い返そう……。そんな胸をグッとつかむ哀惜の歌。
[Disc 2]〈16-30/86〉
01夜鷹の夢
正義の言葉を旗印に無意味な争いを繰り広げていく世界。誰しもに同じ真っ赤な血が流れているはずなのに、なぜ人は争うのか? 暁の空をさまよう夜鷹のごとく、迷走した人の心を嘆くように、張り裂けんばかりの想いが歌いあげられていく。
02TAO
互いに選んだ道(=TAO)だから、それぞれの未来を笑顔で見送っていこう。新しい旅立ちを決めた仲間たちの意志を尊重しあっていく想いを、スケール感あふれる演奏に乗せて表現したミディアム・バラード。
03タダイマ
“タダイマ”“オカエリ”といったキーワードから浮かび上がるさまざまな情景描写で懐かしさ、切なさを思い出させるポップ・チューン。アコースティック・ギターのストロークなどによる爽やかな仕上がり。
04Week!
9thシングル。理想と現実にもがきつつも、ポジティヴに生きようとする女性を応援するメッセージが詰まったポップ・チューン。“Monday”から始まる曜日を交え、ありふれた描写の歌詞が親しみやすい。
05One or Eight
パンキッシュなビートに、“One or Eight=イチかバチか”といった気持ちの大きい歌詞が気風のよい爽快なナンバー。間奏にテルミンのノイズが入っており、ダイナミックなギターも冴えている。
06new world
周りが終わりを告げようとしても、僕が掲げた旗を降ろさない限りは未来へと道は続いていく。どんな逆境の中でも信じた意志を掲げ進み続ける勇気を、この歌は教えてくれる。激しさと哀愁を帯びた演奏との重なり合いも、ドラマティックだ。
07深い森
10thシングル。ミディアム・テンポによるポップ・ナンバーで、スケールが大きくゆったり展開するメロディとドラマティックなサビが印象的。TVアニメ『犬夜叉』のエンディング・テーマにも使用された。
08under the sun
2002年7月発表のシングル曲。ロック風のリフを多数組み合わせつつ、めくるめく展開で聴かせるポップ・ロック。テンションの高い歌詞、サウンドともに盛り上がること必至のナンバー。
09真実の詩
2002年10月発表のシングル曲。“真実の詩”をテーマに、二胡に呉汝俊を迎え、エスニックな雰囲気と悠久の時間を感じさせる、スケールの大きいバラードに仕上げている。
10菜ノ花畑
アルバム『NEED YOUR LOVE』のラスト・ナンバー。新たな生命を迎える夫婦の気持ちと“菜ノ花畑”のある風景をファンタジックに描くバラード。ピアノを中心に、サビに絡むサックスの音色など、D・A・Iの新境地ともいえそう。
11Desire
12Tangerine Dream
99年9月発表のデビュー・シングル。“言いようのない不安”のなか“願いは届く”と信じ、前向きに生きようとする気持ちを綴る。サビへ向かって徐々にメロディが展開してゆくポップ・ナンバー。
13nice&easy
“心弾むときめき”といった軽やかな気持ちをサビにのせた明快なポップ・ロック。転調を含め、次々に展開してゆくメロディが心地よく、歌っても楽しいナンバー。初のベスト盤『Do The Best』に収録。
14BE FREE
“ありのままの君”をテーマに、強さと優しさを感じさせる歌詞とメロディアスで跳ねたビートが印象的なポップ・チューン。力強い歌声はもちろん、緻密なギター・ワーク、アレンジなど聴きどころもたっぷり。
15永遠
忘れないでね、永遠の眠りにつく私を。バンドの終焉を予感させるような描写がされていくと同時に、“自分を信じることが一番大切”と3人が伝え続けてきた想いを、この1曲の中へ集約させている。彼らの集大成ともいえる、哀愁ミッド・バラード。